国家発展改革委員会が19日に発表したところによると、20日からガソリン、軽油の基準価格を1トンあたり1000元、航空燃料は1トン当たり1500元、引き上げることを発表しました。また、7月1日から、全国の電力価格は一キロワットアワーあたり0.025元、値上がりすることになります。
今回の価格調整により、オクタン価93のガソリンは1リットル当たり0.86元値上がりし、5.34元から6.2元に引き上げられました。これまでの価格調整では、最高の値上げ幅は1トンあたり500元で、今回はそれを大幅に上回った形での値上がりとなりました。
ただし、住民の消費と密接に関わる鉄道や都市部のバス、農村部の交通機関などは値上げが禁止されています。また、タクシーの運賃についても、価格調整は行わず、ひとまず財政補助を増やすことで対応していく方針です。そのために、中央財政は、198億元の補助金を緊急に交付しました。
一方、ガソリン価格の値上げと同時に、電気代も値上げしたのは、今回が初めてです。ただし、家庭用、農業用、化学肥料生産用および地震の被災地の電気代は値上げの対象になっていません。また、中央政府は、発電用石炭に対しても、価格への介入を厳格に行っていくということです。なお、プロパンガスや天然ガスの価格調整は行わないということです。
中国では、原油の半分を輸入に頼っています。今年2月以降、世界の原油価格は上昇を続けています。一方、中国国内では、ガソリン製品に対して、価格統制を行っているため、石油精製工場の経営状況が悪化しました。これにより、一部の精製工場が生産を縮小、停止に追い込まれています。今回の値上げは、長期的に見れば、国内の供給関係を改善することにつながるとも見られています。(整理:Yan)
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