2008年は子の年、ねずみ年です。中国人は干支を旧暦で数えるため、ねずみ年の開始は今年の春節元旦・2月7日からになります。
ところで、ねずみは元々中国では、そんなに人気のあるキャラクターとは言えませんでした。しかし、ここ数年、干支に因んだ様々な商戦が盛んになっている(干支ビジネス)のに連れ、去年の末頃から、ねずみをモチーフにした様々な商品が市場で人気を得ています。これらの商品とは、ねずみの模様が印刷してあるか、もしくは外観がねずみのデザインになっている玩具や、アクセサリー、家電製品などです。
北京の地下鉄環状線の「阜成門」駅から西に向かって徒歩5分。北京でたいへん人気のある雑貨など日用品の卸売市場「万通」があります。「万能」の「万」に「交通」の「通」と書く「万通」市場は、5階建ての建物です。服装、アクセサリ、靴、文房具、日用雑貨など日常生活にかかわるすべての商品を扱っています。
春節前後の万通市場で、もっとも人気の高い商品はなんと言っても、ねずみ関連の商品でした。「中国紅」という店舗の前に来ました。ねずみ年関連のアクセサリと土産品がずらっと並んでいました。オーナーの郭文彬さんの話によりますと、今年に入ってから、「ねずみ」と関連している土産品やアクセサリーはいずれも良く売れているそうです。携帯電話のストラップやヘアピン、化粧バッグ、カレンダーなどなど、デザイナーの工夫により、ねずみ年の中国のねずみは、これまでと打って変わった可愛らしいイメージで登場しています。
「ねずみの絵やぬいぐるみ、そして、布で縫ったねずみの工芸品や、切り紙などが良く売れています。会社からの注文も数多く受けています。真っ赤な生地に、金の糸で模様が描かれているこちらのねずみのストラップは、飛ぶように売れています。幸運と富をもたらしてくれるからです。」
万通市場で売られている、ねずみをモチーフにした商品には、キーホルダーやヘアピンなどの小さな商品もあれば、コイン入れやクッションなどもあります。また、かばんや筆箱などの文房具にも、かわいらしいねずみのデザインがいたるところに付いています。
これらのネズミのデザインを良く見ると、これまでのイメージとはずいぶん変わってきたことが分かります。昔のねずみは口がとがっていて、目が小さく、どちらかと言いますと、こそこそしていて、皆に好かれるタイプではないというイメージが強かったのですが、今年、市場でよく売れているねずみは、ぽちゃぽちゃしていて、おっとりとした形をしています。
こうしたデザインの変化には、市場の期待があるからだと言われています。関係者の話では、メーカーはより多くのねずみの商品を売るため、ミッキマウスーの成功にヒントを得て、かわいらしい新しい時代の中国のねずみを作り出したそうです。
新春の土産品店を経営して5年になる陳雷さんは、、毎年年末になると、翌年の干支に因んだ商品をたくさん仕入れます。今年もねずみのぬいぐるみと工芸品をたくさん仕入れました。
「私の店のねずみは良く売れています。そもそも、売れなさそうなものは、まず仕入れたりはしません。私の店で扱っているねずみの商品は、すべてメーカーから直接仕入れたもので、色々なねずみがいます。中でも、モーターつきのこちらのダンサーねずみや、縁起を担ぐ小さなネズミの形のアクセサリなどは人気を呼んで、あっという間に売り切れてしまうと思いますよ。」
私たちが取材している間にも何人もの人がモーターつきねずみを買い求めました。スイッチを入れると、リズミカルな音楽が聞こえ、ねずみの体もリズムに合わせてダンサーのように踊り始める電気ねずみです。
ねずみのぬいぐるみを何軒もたずね歩いて、気に入った商品を選びつづけていた孫平さんに話を伺いました。
「去年、妊娠した友達が何人もいました。今年は赤ちゃんが生まれる予定の友達に、このぬいぐるみを送ろうと思っています。」(続く)
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