省エネの目標、北京市のみ実現
2006年度、中国の単位当たりエネルギー消費量(1万元のGDPを生産するのに必要なエネルギー)は上昇する勢いが食い止められ、三年ぶりに減少しました。しかし、このうち、4%の省エネ目標を実現した地区は、北京のみで、ほかの省、市、自治区はいずれも目標が達成できていません。
国家統計局の謝伏瞻局長がこのほど、記者会見で発表したところによりますと、2006年、標準石炭ベースの全国のエネルギー消費総量は24億6000万トンで、2005年より9.61%伸びました。しかし、単位当たりエネルギー消費量は1.206トンで、2005年より1.33%減っており、マイナス成長となったのは、三年ぶりのことだということです。
ところで、中国政府は2006年からスタートした『第十一次五ヵ年計画』で、5年間で、エネルギー消費量を20%削減するという目標を掲げています。この目標を実現するためには、各地方政府は向こう5年間、毎年、4%ずつエネルギー使用量を削減しなければなりません。しかし、この目標に照らし合わせると、北京市を除いた他の地区はいずれも、2006年の削減目標を達成できておらず、省エネの道のりが依然として厳しいことが分かりました。
地域別に見ると、全国30の省、自治区、直轄市のうち、チベット自治区を除く29の地区は減少しました。このうち、減少幅が3%以上の地区は17あり、2ー3%の地区は6つ、また、1-2%の地区も6つあります。
一方、国家統計局北京調査総隊、北京市統計局、北京市発展改革委員会など4つの機関の共同発表によりますと、2006年、北京では、GDP1万元あたりのエネルギー消費量は昨年同期に比べて5.25%減り、今年の第一四半期も4.95%減少しました。
謝伏瞻局長はその理由について、「まずは、北京市政府がエネルギー消費量が高く、技術レベルの立ち遅れた企業に対し、淘汰、閉鎖、再編といった取り組みを行い、その成果が現れた。このほか、今年の上半期、エネルギー消費量の多い2000品目以上の製品に対し、輸出税の払い戻し政策を取りやめ、この政策が今後も引き続き役割を発揮していくものと考えられる」と語りました。
では、何故、北京を除いて、その他の省、自治区、直轄市は目標が達成できなかったでしょうか。謝伏瞻局長はこれには、以下の四つの原因が考えられると指摘しています。
先ず、サービス業の発展が立ち遅れていること。それに対して、工業分野の成長がGDPの伸び率を上回り、工業の中でも、とりわけ、エネルギー消費量の多い産業が比較的早く伸びています。
次に、省エネの目標が出された後、一部の対策が導入されましたが、効果が発揮するまでに時間がかかること。また、一部のエネルギ価格、税収政策にも問題があります。
さらに、関連の法整備や管理制度がまだ整備されていないことも影響しています。
四つ目には、中国経済が工業化の中期段階に入り、重工業と一部の原材料工業が比較的早く発展し、経済全体も急速に伸びている時期にあります。GDPの伸び率から見ると、省エネの目標設定のハードルはたいへん高いと言えます。
謝伏瞻局長は「残りの4年は、より大きなプレッシャーを受けることになる。今年及び来年以降、より強力な対策を講じていくしかない」と強調しています。(「新京報」より、Yan整理)
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