東北部の古い工業基地を、新しく生まれ変わらせる。これは、遼寧省が全面的に振興する上で、重要なことです。去年、遼寧省は、国有企業の改革を進めると同時に、「五点一線」と呼ばれる沿海地域経済ベルトを建設したことで、大きな進展を遂げました。また、これにより古い工業基地の改造プロセスが大いに推し進められました。
遼寧省の中心地・瀋陽市鉄西新区の開発大通りには、完成したばかりの現代的な大型工場が聳え立っています。これは、瀋陽送風機会社、瀋陽気体圧縮機会社、瀋陽ポンプ会社という三つの古い国有企業が合併してできた瀋陽送風機グループの工場です。今回の合併により、三つの企業が一体化され、大きな力が生まれています。
遼寧省には、大型、中型の国有企業が集中していることから、国有企業の改革が重要視されています。国有企業の改革を進め、体制の刷新を図ることで、経済発展を妨げる障害を取り除きたい。そのためには、古い工業基地を改造することが、前提となります。これについて、遼寧省政府の張小普副秘書長は、「従来の体制、特に国有企業の体制は、地域を振興させる上で障害となります。国有企業の改革を進めることこそ、経済振興への道しるべとなるのです」と話しています。
2006年、遼寧省は新型産業基地を建設するため、国有企業の改革を進め、大きな成果を挙げました。現在、遼寧省大型国有企業のうち80%が、株式制に転向し、投資による多元化を実現しました。関連企業との戦略的な再編成を行った企業もあります。また、中小企業の財産権制度の改革も基本的に完了しました。これにより、遼寧省の国有企業及び国有持ち株企業の資産総額は949億元増えて、7930億元となりました。国有経済力が全体的に強化されたのです。これについて、張副秘書長は、「体制の刷新を通じて、企業は活性化し、資産や税収が増えました。また、社員の収入も増加しました」と話しています。
国有企業改革の推進を、新型産業基地建設の基礎とするなら、沿海地域という利点を活かした「五点一線」沿海地域経済ベルトの建設は、改革をさらに前進させたと言えるでしょう。
「五点一線」とは、渤海湾に面した五つの経済区と、これらの経済区をつなぐ湾岸道路のことを指しています。今、この地区で行われているプロジェクトは148項目あり、投資総額は463億元に達しています。たとえば、韓国のSTXグループは大連の長興島で、10億ドルを投じて、造船事業を始めています。また、中国・中冶という企業も100億元近く資金を投入し営口を拠点に進出を始めています。
現在、この「五点一線」沿海地域経済ベルトはほぼ完成し、その潜在力を発揮し始めています。これについて遼寧省対外経済貿易庁の責任者劉文さんは、「この建設プロジェクトは内外で大きな影響を及ぼしています。大型プロジェクトが一部はすでに進行中です」と語っています。
|