グローバル売上ランキング3位のレコード大手EMI(EMI Group PLC)はこのほど、中国の検索エンジン・百度在線網絡技術公司との訴訟にピリオドを打ち、今後、双方は百度サイトを通してのEMI音楽の無料試聴で合意したと発表しました。両者が開いた共同記者会見で、EMIの中国での関連会社EMI音楽(EMI Music Marketing China)のJoanna Huang総経理は、「EMIは訴訟を撤回し、百度の音楽検索エンジンにEMIの音楽を視聴するサービスを提供する権限を授与する。その代わり、曲が再生中、スクリーンに広告を表示させ、その収入を二社で分けることになる」と発表しました。また、百度の王湛生(Shawn Wang)CFOは「百度の音楽検索エンジンは今後、権限授与されていないEMIの歌にリンクをつけない」ことを発表しました。
この問題の発端は、2005年、百度が「無断で音楽のオンライン再生とダウンロードサービスを提供したため、重大な経済的損失をもたらし、レコード会社側の権利が侵害された」という理由から、ユニバーサル、EMI、ワーナー、SONYBMGなどのグローバルレコード大手を初めとした7社のレコード会社から共同で提訴されたことでした。しかし、2006年、北京市第一中級人民法院が「検索エンジンの登場と発展はインターネットの発展の必然的趨勢で、原告の権利侵害提訴には十分な法的根拠がない」として、原告側の訴えを却下した判決を出しました。このため、今回の両者の提携は、レコード会社が中国インターネットユーザー、検索エンジン及びその技術に対して、従来より深い理解を示したものとして注目されています。また、百度にとっては、今回は著作権問題をめぐる協議で、海外のレコード会社と合意に達した初めての事例です。専門家筋は今回の提携について、「海外のメディアが中国の海賊版取締り問題で新たな解決手段を導入したことを意味し、百度と他のレコード会社との法的トラブルの解決にも役立つもの」と見ています。(翻訳編集:王小燕)
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