無錫市の南西部に位置する湖、五里湖は、工業の発展や人口の増加によって、面積が以前の9.5平方キロから6.4平方キロに減少し、水汚染もかなり進みました。
そこで、環境保全作業が2002年に始まって、科学的に計画が立てられ、その計画通りに生態回復作業を進めるとともに、遺跡を保護し、人々の居住環境を整備して、成果を挙げ、国連環境計画からも高く評価されています。去る9月23日、国連環境計画の関係者が五里湖を視察した結果、ここを国連の生態模範区域として認めました。
この五里湖に新しく増えた景勝地、西施島は10月1日の国慶節前後に一般公開されました。島の名前、西施島は、ここが、中国4大美人の一人として知られる西施のゆかりの地であることから名付けられたものです。この島で散歩している市民に話を聞きました。
「今の五里湖は、私が子供だったころとはずいぶん違う。回りの環境は綺麗になった」と話しました。
この西施島の整備について、無錫市の毛小平市長は「この西施島の整備に続いて、五里湖の沿岸36キロをすべて整えて、全国でも最大規模が湖岸公園にしていく」と言いました。三年後、五里湖の沿岸はきれいな公園となると期待されています。
今回国連から、生態模範区域にして指定されたのは、20平方キロの区域で、そのうち、湖の面積が48%、山は8%、平地は44%となっています。沿岸地域で公園を作るほか、湖を囲んで開発される住宅地には、10万人が住む予定です。このプロジェクトの責任者、無錫市の孫志亮副事務長はこれについて「五里湖周辺の整備は、「持続可能な」という考えを貫いている。まずは湖の水質を向上させる。世界各国の経験を参考に、汚水の排出を遮断するとともに、汚水パイプを配置して、汚水を直接、処理場に送るようにする」と述べました。
また、湖での魚の養殖をやめ、さらに、人工的に湖水の交換を行なって、水質を改善してきました。
2005年、国連環境計画のカカヘル氏が無錫を訪れ、五里湖を視察しました。環境整備の成果を評価して、ここに生態模範区域を設けることにしました。
そして、今年9月21日、国連環境計画の専門家が再び無錫に来ました。その一人、史仁達氏は「多くの国々を訪ねたことがあるが、環境整備の面では無錫市は格別深い印象を与えた。今回は、二年前よりまた進んでいる」と話しました。
五里湖の整備が進んだことにより、ここに観光に訪れる人の数も多くなっています。また、国連の関連規定によりますと、模範区域と定められた街は、住民の公共交通の利用率が60%に達することも要求されますから、地元では新たにバスの路線を増やしています。
今後の環境整備について、孫志亮副事務長は「すべての汚染の要因を抑えて、とりわけ、汚水の排出をゼロにし、建築資材もできるだけ環境にやさしい、新しいものを使いたいと思う。名実共に生態整備の模範区域を築いていく」と述べました。
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