中国東部地域にある太湖、太い湖と書くこの湖は、中国の有名な淡水湖です。太湖は景色のもっとも綺麗なところは無錫市のユェン頭渚公園です。
かつて太湖の辺りで長年歌われていた民謡があります。その歌の内容は、ユェン頭渚公園の綺麗な景色です。残念なことに、いま、この歌は地元で歌える人がいなくなりました。しかし、この歌は台湾でまだ歌われていて、しかも、その歌詞は台湾の小学校の教科書に入っています。
台湾日月潭原住民芸術訪問代表団は、去る7月7日無錫を訪れ、太湖にこの民謡を連れて帰りました。
無形の文化遺産とされるこの歌は台湾でかなり知られているそうです。台湾芸術団の陳振盛団長の話です。
「太湖は本当に綺麗です。『太湖の船』というこの歌は百年ほど前から歌われていました。今回太湖を訪れ、人々がこの歌を忘れていることにびっくりしました。この歌は50年ほど前に台湾に伝わりました。今回この歌をまた持って帰りました。地元の人々にも歌ってもらいたいと思います」
台湾の人々はこの歌で太湖を知るようになり、そして、憧れをもって、今回現地を訪問したということです。
団長の陳さんはまた「憧れていた太湖をこの目で見ることができて、とても光栄に思います。台湾から土を持ってきました。それを無錫に撒いて、無錫の土地に溶け込ませたいです」と述べました。
代表団が台湾からもってきた土は、ユェン頭渚公園に撒かれました。また、代表団はその土地で、地元の人々と一緒に植樹しました。
台湾の人々は、10月の連休を利用して再度、無錫のユェン頭渚公園に来ると約束しました。
このことについて、ユェン頭渚公園の責任者、顧文品主任は感激を話しました。
「台湾の人々との交流を強めて、観光事業を共に促していきたい。今後、中秋節や端午の節句など、中国の伝統的な祝祭日を利用して、両岸の観光を一層促進することができると思います」
百年ほど前に歌われていた民謡がまた戻ってきたというこの話は、多くの人々が心を打たれました。
江蘇省台湾事務弁公室の責任者、陳尭(ぎょう)さんは「太湖に住む人々はもうこの歌を忘れました。しかし、台湾に伝わり、また戻ってきました。そして、両岸の人々を結ぶ絆となって、本当によかったです」と述べました。
ユェン頭渚公園には多くの有名人が訪れたことがあります。文豪の郭沫若、仏教の有名人・趙朴初などがここを訪れ、ここの景色をたたえる揮毫を残しました。公園側はこれらの書道作品を生かして、公園の新たな観光ポイントとしようと考えています。
現在、公園にはこうした作品を収蔵する博物館があります。そのうちの素晴らしい作品はコレクターから喜ばれています。
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