海外企業からの特許使用料請求問題の余波を受け、現在、中国のDVD産業が戦略的転換期を迫られています。
国務院発展研究センター市場経済研究所の明らかにしたデータによると、目下、中国のDVDプレヤーメーカーは200社を上回り、国内市場が年間わずか500万台の需給量であるのに対し、年間生産量は6000万台に達しています。熾烈な競争により、国内市場でのDVDプレーヤーの販売価格はすでに原価を割り込んでいます。一時期、数多くのメーカーが海外市場向けのOEM(相手先ブランド製造)生産に生き残りをかけていました。しかし、2004年、相次いで起きた海外大手電子メーカーからの特許使用料請求で、DVDプレーヤー1台につき、海外企業に支払う特許料金は26.2ドルに達しました。
中国DVD産業の重要な拠点である深セン市宝安区には、最盛期には140社以上のDVDメーカーがありましたが、現在はわずか30ー40社程度になりました。今年の上半期だけでも、30社近くの企業が倒産しました。現存の企業も相次いで戦略的な転換を行い、製品ラインをMP3やヘッドフォンなどの小型家電製品にシフトしました。また、その他のDVD大手も従来の読み取り専用DVDの輸出をやめ、付加価値の高い製品や中国独自の技術の製品開発に力を入れるようにしています。
業界筋は、儲けの少ない従来型DVDの輸出を取りやめた代わりに、今後はモバイルDVDや書き込み可能なDVD及び車載DVDなどのハイエンド製品が主流になっていくと見ています。(YAN)
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