中国では貧しい家庭の大学生に対しては生活費に対する資金援助が行われていますよね。9月から新しい学年が始まり、今は各大学が資金援助の対象となる学生の選考をしている時期ですが、江蘇省のある大学ではこんな問題が起きました。大学当局がこのほど資金援助を受ける学生の名簿を発表したところ、学生の間から不満の声が出てきたというのです。
実際には貧しい家庭の学生が、携帯電話を持っているためという理由だけで対象に選ばれず、その代わりに経済的には苦しいわけでもないのに、携帯を持っていなかったことから別の学生が選ばれているのはおかしいというものです。
これはちょっと微妙な問題ですね。携帯電話は確かに今は必需品に近くなっていますが、でも電話代を気にせずに長電話をしている学生を見ると、無駄遣いをしているなと思い、腹が立ちます。でも西部地区出身のある大学生によると、将来はアルバイトをして生活費を稼ごうと思い、200元あまりの安い中古の携帯を買ってもらったが、貧困学生の名簿から外れて困っている。そんな規定があると知っていれば携帯を買わなかったのにと嘆いているそうです。
一方、大学側にも言い分はあるようです。別の大学の教授によれば、学生食堂用のカードをチェックしたりして、毎月の生活費が150元以下の学生を選ぶようにしているが、しかしこのやり方では大学の外のレストランに行って食べていれば、全体を把握できないという難点がある、従って携帯を持っているかどうかによって線を引くのもやむを得ないと話しています。
双方の言い分を聞くと、どちらの言い分ももっともだと思ってしまいます。難しいです。
話は飛びますが、実は最近私は携帯を失くしてしまいました。その時に携帯のない不便さというのを嫌と言うほど味わいましたから、貧しい家庭の学生さんにも携帯はもたしてあげたいなと思いますね。ただし色々と機能のついている高いものは諦め、しかも毎月の使用料も一定の限度を設けるといった形にしてはどうか、そんな事を提案したいですね。(経済スクランブルより)
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