世界的に知られる「故宮」「紫禁城」は今後、単なる世界文化遺産や国家重点文物保護単位の名称ではなくなりました。この２つの名称は国家工商総局商標局から「知名商標」に認定されました。「故宮博物院」は今後、観光、芸術品鑑定、文化教育展示の組織といった文化サービス活動において専用に使用できるブランド名になります。

　故宮博物院の李文儒副院長は１０日の記者会見で、「『故宮』『紫禁城』という名称はいずれも明・清代の皇宮だった現在の故宮博物院を指すもの。１９９６ー９８年にかけて、同院は２度にわたり国家工商総局商標局に『故宮』『紫禁城』および１５種類のサービス商標を申請した。これらには宝物評価、芸術品鑑定、観光、文化娯楽活動、文化教育展示の組織・手配、書籍出版など数十項目の細目も含まれており、同局からも認可され登録証明書も取得している。故宮は中国の文化博物館業界で初めて登録商標を持つ機関となった」と語りました。

　しかし、企業や個人が「故宮」「紫禁城」を別の類別で登録商標に申請するケースが後を絶たないのです。故宮博物院の大まかな統計によりますと、現在「故宮」または「紫禁城」を商品名に使い販売している製品は１００種類余り、また企業名に使っているものも多く、中にはラーメン店や結婚仲介会社などにも使われているということです。２００４年初め、同院は「商標公告」で２０件の機関、個人が「故宮」「紫禁城」の商標を申請していることを発見しました。

　これらの商標保護を強化し、より高度な次元でブランド力を開拓して故宮を世界レベルの博物館にするという発展目標を実現するため、同院は商標局に「故宮」「紫禁城」を知名商標として認定するよう申請、０６年６月１日に認可されました。

　李文儒副院長によりますと、知名商標の管理と使用を今後の業務重点の１つに位置づけ、同院は現在、知名商標の権威性と商標の有効利用を保障するため、これらに関する管理方法や措置を研究中だということです。故宮博物院は関連法規に基づき、さまざまな権利保護活動を展開して、社会に氾濫する「故宮」「紫禁城」商標の侵害行為を一掃する構えです。（新華ネットより）