ここ数年、中国経済の発展に伴い、中国と中東地区との経済交流が深まり、湾岸諸国の主要メディアが中国経済の発展に注目する程度もますます高くなっています。湾岸諸国の人達は「中国の経済力の増強が世界経済の持続的で安定した成長や、経済のグローバル化を推し進めることに大きな役割を果たしている」と評価しています。

　湾岸諸国自身にとっても、現在、中国のような「改革と発展」の課題に直面しています。したがって、地元の多くの経済学者は、中国の改革開放20年余りの成果を重視し、中国の発展の道からヒントを得ることを期待し、中国の成功例をいかに学ぶかについて研究しています。彼らは、「中国との関係を改善し、かつ強化することが、重要な契機となる。中国との日増しに深まる経済貿易協力によって、自国を発展させることができるのではないか」と見ています。

　湾岸諸国はアジア、アフリカ、ヨーロッパという3つの大陸の交差点に位置し、便利な交通条件によって、中東地区では最も重要なビジネスセンターとなっており、周辺の潜在的な市場人口は15億人にも達しているということです。

　現在、湾岸諸国は経済多様化プロセスにおいて、中継貿易がすでに重要な選択となっています。その意味からも多くの湾岸諸国にとって、中国は理想的な協力パートナーです。双方はここ数年、エネルギーのほかにも、相互に投資を行ったり、インフラ施設、人的資源の開発、情報と技術などの分野で成果に富んだ協力を行いました。中国は2002年度、外国から受け入れた直接投資が、初めてアメリカを超えて世界で最も多い国となりました。この事は、湾岸諸国に対して中国の投資環境についての安心感をもたらし、サウジアラビア基礎産業会社（SABIC）など有名な企業と経済貿易機関が相次いで、中国に支社や代表事務所を設立しました。湾岸協力会議（GCC）の統計によりますと、2005年末までに、湾岸諸国の中国での投資契約の総額は10億4000万ドルに達しました。一方、中国から湾岸諸国への投資も増えており、こうした双方向の投資は双方の経済貿易協力によい影響を与え、投資の分野も軽工業、建築材料、不動産、エネルギーなどに及んでいます。

　また、湾岸諸国は中国製品の巨大な市場となっており、中国製品は湾岸諸国のスーパーマーケットやショッピングセンターなどどこでも見られるようになりました。統計によりますと、中国と湾岸諸国との貿易総額は2005年338億ドルに達しましたが、そのうち、中国が湾岸諸国に輸出したのは138億ドル、湾岸諸国から輸入したのは200億ドルです。湾岸諸国加盟国の中でも、サウジアラビアは中国の主要な貿易パートナーで、またアラブ首長国連邦は中国製品の最大の輸入国となり、中国製品の湾岸諸国への輸出総額の60％を占めています。

　ここ数年、中国がアラブ首長国連邦へ輸出した製品の中で、機械電気製品を中心とするハイテク製品が占める割合は増えつづけています。中国の華為技術社とアラブ首長国連邦政府が調印した3G移動通信プロジェクトなどは二国間貿易のレベルを向上させることに重要な意義を持っています。湾岸諸国は地域的な経済体として中国の8番目の貿易パートナーとなっているということです。