中国の大都市では、世界のあらゆる自動車を見ることができると言っても過言ではありません。中国が自主開発した国産車だけでなく、米国車、ドイツ車、日本車、韓国車、イタリア車、ロシア車、スウェーデン車……。大小の乗用車もあれば、バンやスポーツカー、ジープもあります。さながら車のオリンピックのようです。
昨年、中国は、ドイツや日本を追い越して、米国に次ぐ世界第2の自動車市場になりました。世界の有力自動車メーカーがこぞって中国市場に参入し、国有のメーカーも健闘しています。まさに群雄が割拠する戦国時代に突入した感があります。
世界貿易機関(WTO)に加盟したことによって中国の自動車産業は、今後、どのように発展してゆくのか。大気汚染をどう防ぎ、省エネをどう進めるのか。中国の自動車産業の現状と、その将来にういて雑誌『人民中国』がレポートしました。
1982年、中国政府は、自動車産業の発展を加速するため、国内の自動車生産企業が外国の自動車メーカーとの合弁を発展させるよう奨励しました。その結果、北京自動車製造廠と米国のアメリカン・モーターズ(AMC)による北京吉普(ジープ)自動車有限公司が成立し、1985年10月に新型の切諾基(チェロキー)の生産を始めました。それを皮切りに、外国の自動車メーカーは続々と中国に上陸してきました。
現在、ドイツのフォルクスワーゲン、クライスラー・ベンツ、フランスのプジョー、シトロエン、米国のジェネラル・モーターズ、フォード、韓国の現代(ヒュンダイ)、日本のトヨタ、ホンダ、日産、マツダ、スズキなどが、長春、湖北、上海、北京、天津、重慶、広州、海南などで、中国の自動車生産企業と合弁で自動車生産基地を設立し、中国第一自動車集団公司(一汽)、東風自動車株式有限公司、上海自動車工業総公司の三大グループを形成しています。
さらに広州のホンダ、重慶の長安、安徽の奇瑞、瀋陽の華晨、南京の菲亜特(フィアット)と、浙江の吉利の6つの自動車メーカーがあり、「三プラス六」と呼ばれる乗用車産業構造を形成しています。
外資系企業の参入は、中国の自動車産業の急速な発展をもたらす主な要因の一つとなりました。中国自動車工業協会の蒋雷・副会長は「2001年から、中国の自動車の年間生産台数は100万台前後の幅で増え続けてきました。2005年には年産約570万台に達しました。そればかりでなく、過去5年間に、中国の自動車市場には、全部で101のメーカーの450以上の新車種が登場した」ということです。
日本の野村総合研究所の予測によりますと、2010年には、中国の自動車生産台数は、981万台に達し、世界第二の自動車生産国になるということです。(全文は8月5日発行の『人民中国』8月号をご覧下さい。)
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