貧困撲滅は,これまで中国政府活動の重点としてきました。土地が広く、人口が多い中国では、貧困問題を根本的に解決するには、経済発達地域と経済が立遅れている地域の発展を協調すると共に、各地域がその地域に適した発展の方法を採る必要があります。このほど、天津濱海新区で開かれた第1回中国貧困地区持続可能な発展フォーラムで、出席者と専門家は『貧困地区の持続可能な発展戦略』というテーマをめぐって、幅広い討議を行いました。
この中国貧困地区持続可能な発展フォーラムは社会各階と学術界の幅広い注目を集めました。会議に参加した政府の関係者や専門家、学者は、天然資源の不足と生態環境の問題が中国の多くの地区の貧困を招いた重要な原因だと指摘しました。また、貧困から脱出するには、環境の良好な循環と科学的な発展理念の重要性を認識し、持続可能な発展を実現させなければならないことを強調しました。中国の著名な経済学者・厲以寧北京大学教授は「事実が立証したように、貧しい地区は自然条件が悪いため、生態系の建設や資源保護を顧みず、目前の利益だけを求めています。今回フォーラムの課題は貧困地区がどのようにして、生態系と資源への破壊と低収入の悪循環から抜け出すかです」と述べました。
会議では、出席者と専門家は「東部発達地域は香港地区との経済協力と交流を強化するほか、貧困地区の労働力に対する訓練を強化させるべきです。そして、社会各界が貧困扶助開発に参加し、貧困地域の経済、社会の持続可能な発展を実現させるべきだ」と述べました。
中国で、発展が速い地域として、天津濱海新区は立ち遅れた地区の建設を支援し、成果を収めました。これについて濱海新区管理委員会の皮黔生主任は「東部発達地域が西部の貧困地域を支援し、貧困扶助協力を行うことは中国各地の均衡的発展を求める方法の一つです」として、次のように話しています。
「濱海新区は経済の立遅れている地区に対する援助が避けられない責任で、多くの有益な試みを行ない、理想的な成果を収めました。それは、労働力の移転を促し、西部と東部の格差を縮小させたことです。そして、産業構造の調整を速め、立遅れている地区の競争力を向上させたことです。また、人的交流を強化し、立遅れた地区の発展の道を広げたことです。さらに、社会の力を動員して、立遅れた地区に対する援助を拡大させたことです」と話しました。
今回のフォーラムの期間中、中国の著名な北京大学と濱海新区は西部の貴州省卒節地区の訓練協力協定に調印しました。これによって、貧困地区の末端行政幹部は経済発達地区を見学し、関連訓練に参加し、先進的な管理理念を勉強することができるようになります。貴州省卒節地区赫章県の馬立県委員会副書記はこれを賞賛し、次のように述べています。
「訓練を通じて、知識を充実させ、特に、開発区での実践を通じて、貧困地区が優位性のある資源をいかに利用し、貧困から抜け出すかの道を探します」と述べました。
去年、中国は社会主義新農村の建設計画を打ち出しましたが、これは中国の貧困扶助活動に新しい契機をもたらしました。
報道によりますと、中国農業省は全国の30の貧しい県でテストを行い、異なる方式によって、新しい農村を建設し、全国の貧困扶助活動に手本をしめすことを決定しました。このほか、インフラ設備に対する中央政府の投入は農村に重点を置き、都市部と農村部の健全な公共衛生システムや基本医療システム、基礎教育援助システムと社会保障システムを確立します。
会議に参加した政府関係者、専門家と学者は「中国の貧困撲滅のプロセスの進展は新しい農村の建設に伴って、速められていく」と見ています。このプロセスの推進は濱海新区のような経済が発達する区域が必要します。
厲以寧教授は今回フォーラムが閉会した後の記者会見で「このフォーラムを通じて、各地の代表は貧困撲滅についての経験を交流し、各地の実状を聴取し、成果を収めました。各地の貧困扶助の実践と経験は今後の貧困扶助活動の貴重な参考になるでしょう。我々は濱海新区が荒れ果てた塩田の上で今日のように発展してきたことから多くのことを学びました」と述べました。
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