今年は戌年で、来年2007年は亥年です。中国では戌年と亥年に生まれる子供は「子犬」や「子豚」と言い、縁起がよく、育てやすいと言われています。そのため、今年と来年、出産を計画している夫婦は特に多いようです。もしかすると、ベビーブームになるかもしれません。では、北京で出産する場合、どのぐらいの費用がかかるのか、「スポットライト」、今週はこの話題についてお伝えします。
妊娠から出産までには、10ヶ月という長い期間がかかります。子供を生むには一体どのぐらいの費用がかかるのか、なかなか計算しにくい問題です。
一方で、一人っ子政策など計画出産を実施している中国では、ほとんどの家庭が1回しか出産問題に直面しないので、健康で可愛い赤ちゃんが生まれるためには、お金はいくらかかっても惜しくないと考える人も結構います。
出産費用、かなり難しい問題ですけど、庶民生活に直接関わる大切な経済の話題ですから、私劉叡琳はこのほど海淀区婦人児童保健病院などいろいろと取材してきました。
出産や妊婦検診にたくさんの費用がかかったと答えながらも、これら妊産婦やその家族は笑顔が絶えません。
正確な費用については専門家に聞いてみましょう。海淀区婦人児童保健病院の助産婦王さんと院長アシスタントの潘俊峰医師に聞きました。
潘医師の話しによりますと、妊娠の初期は、白黒の超音波検査を選んでも大丈夫だということです。カラーの超音波検査が1回90元なのに対し、白黒なら、1回30元しかかかりません。ただし、胎児の心臓を早めに観察したい場合は、やっぱりカラーの超音波検査がお勧めだそうです。そのほか、妊娠期間中、微量アルブミン検査を1回受ける必要があります、その費用は180元です。
では、妊婦検診、一体どのぐらいかかるのでしょうか。
子供が生まれるまで、妊産婦は12回か13回の妊婦検診を受けます。1回当たり20元かかるので、合わせて260元です。
また、妊娠中、月に1回の血液検査が必要で、毎回20元、10回受けると200元です。そして、2回の超音波検査で、90元×2回=180元です。
受付料は毎回7元で、7元×13回=91元です。
最後は、微量アルブミン検査の180元です。
以上、合わせて911元です。
もちろんケースバイケースで、多少のズレがありますが、妊婦検診の費用は、大体800元から1200元ぐらいだと産婦人科医師が教えてくれました。
妊娠期間は10ヶ月で、いろいろな検査があります。しかし、出産は一回だけですが、その費用はまちまちです。安産なら2500元か3000元ぐらいで済み、帝王切開の出産なら、少なくとも4500元が必要で、平均6000元ぐらいかかるそうです。
赤ちゃんが生まれてから、新しい支出のスタートとなります。
病院で生まれた赤ちゃんは両親に会った時、すでに可愛いベビーウェアを着ており、オムツもしています。これも出産費用として取られます。220元程度です。
また、今中国では、ほとんどの家庭が一人の子供しか生まないので、大切な出産を記念するため、赤ちゃんの産毛で記念の筆を作ったり、赤ちゃんの手型や足型を取って印鑑を作ったり、臍帯の血を保存したりするなど病院側は色々なサービスをしています。
赤ちゃんの手足の印鑑は1個200元から300元で、臍帯血の保存は600元ぐらいかかるそうです。産毛の記念筆は木材の質によるので、値段は一概には言えません。
中国では、出産後の一ヶ月間を「月の子」と書いて「月子」と言います。新米ママやこの世に生まれ出たばかりの赤ちゃんにとっては、とっても大切な時期と見られています。出産後の産婦や赤ちゃんの世話をよりよくするため、「月子」の期間中、産後の世話をする専門の家政婦さん「月嫂」や、産後の総合サービスを提供してくれる「月子センター」が現れました。
宋さんは今年の2月に可愛い男の子を生んで母親となりました。
「私は帝王切開による出産で、5000元かかりました。出産後、「月子」センターに泊まりました。「月子」センターでは一般ルームから高級ルームまで揃っています。私が泊まったのは月に1万元ちょっとの部屋です。料金は毎週ごとに計算されますので、4週間、28日間泊まりましたので、1万1千元かかりました」
「月子」センターでは、一体どんなサービスが受けられるのでしょうか。宋さんが泊まった「月子」センターの看護婦さんに聞きました。
「食事は、毎日6食も付きますよ。すべて部屋まで届けるルームサービスです。そして、午前10時は赤ちゃんのお風呂の時間、午後4時から5時までは赤ちゃんの音楽のお勉強です」
一ヶ月間で1万元もかかったというのは、ちょっと高いような気がします。でも、宋さんはそれなりの価値があると話してくれました。というのは、宋さんの赤ちゃんは「月子」センターの水泳教室に通って、水泳が出来るようになりました。わずか2ヶ月の赤ちゃんが水泳が出来るなんて、ビックリしました。
宋さんのように「月子」センターに泊まらずに、出産後の一ヶ月間、専門の家政婦さん「月嫂」を雇う家庭は少なくありません。今、北京では、「月嫂」の月給は1000元から3000元の間だそうです。でも、宋さんにとって、一番もったいないと感じたお金は、赤ちゃんの紙オムツだそうです。
「紙オムツは本当に高いですよ。新生児専用の紙オムツはワンパック50枚で、50元もします。1枚当たり1元かかります。最初、私は1枚3元の高級なものを買いましたが、高くて、結局普通の1枚1元のに変えました」
新生児専用の紙オムツ、1枚3元で、ワンパック50枚150元です。3、4時間に1枚使うと、1日で6、8回替える必要があります。そうすると、ワンパックは1週間しか持たず、一ヶ月間の紙オムツ料は600元となります。
では、宋さんを例として、その出産費用を計算してみましょう。
妊娠中の検査費用は800元で、帝王切開による出産が5000元、赤ちゃんの手足の記念印鑑600元、「月子」センターで4週間の宿泊料1万1000元、赤ちゃんの紙オムツやおもちゃ、ベビーウェアなど、合わせると3万元もかかったそうです。ミルクや栄養食品などを計算に入れると、もっと膨大な支出となるでしょう。宋さんの言葉では、「もう数え切れないほどだ」ということです。
もちろん、人によって、家庭によって、多少の差はありますが、以上の調査結果はあくまで北京市の一般家庭の基本的な出産費用と言えると思います。
一人っ子政策を実施する中国、各家庭では新しい生命を迎えるため、いくら費用がかかっても惜しむことはなく、健康で可愛い赤ちゃんの誕生を楽しみにしています。今回の取材を通じて親が子供の出産のためにこんなに莫大な費用を使っていることを知りました。改めて親への感謝の念を持たなければいけないなと切実に感じました。(劉叡琳)
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