漢語は、中国全土で通用しています。全国の55の少数民族のうち、回(ホイ)族、満族が漢語を使っているほか、53の少数民族はみな自民族の言葉を持っています。また、21の民族が27種の民族文字を使用し、うちの一部民族は複数の文字を使っています。たとえば、ダイ族は4種、蒙古族は2種の文字を使っています。漢民族と長期にわたって往来、交流したきたことから、漢語を使いこなす少数民族は少なくありません。一部の民族雑居区の各民族はその地区で主に通用している民族の言葉も同時に使っています。例えば、新疆の各民族はウイグル語を、内蒙古の各民族の多くは蒙古語を、雲南のシーサンパンナの各民族の多くはダイ語をも話せます。
1950年代、少数民族調査が行われ、これを踏まえて、国は「自由意思によって決める」という原則に基づいて、チワン族、プミ族、ミャオ族、イ族、リー族、ナシ族、リースー族、ハニ族、ワ族、トン族の10の少数民族の文字作りを、ラフ族、ジンポー族、ダイ俗の文字改善方案作成を、ウイグル族、カザフ族の文字改革方案作成をそれぞれ援助しました。自分たちがよく使っているほかの民族語を自民族の言葉に選んだ少数民族もあります。例えば、モンパ族とローバ族はチベット語を選びました。そして、情報化が発展するにつれ、蒙古語、チベット語、ウイグル語、カザフ語など10余種は、すでに民族文字処理システムと電子出版システムを持っています。
中国の憲法は、「各民族は自己の言語、文字を使用し発展させる自由を有する」と定めています。少数民族を主とする学校では、一般に「双語教学」つまり、漢語と民族の言葉両方で授業をしています。多くの民族自治地方の政府の公文書、会議、公共場所の標識などは民族語と漢語が同時に使用されています。また、出版、ラジオ、テレビなどのメディアは民族語を広く使用しています。例えば、中央人民放送局は民族部を設け、蒙古語、チベット語、ウイグル語、カザフ語、朝鮮語の五つの言葉で放送しています。内蒙古、新疆、チベットなどの自治区のテレビ局は、民族語チャンネルを設けています。全国人民代表大会、全国政治協商会議などでは、少数民族の代表、委員のために文書、資料を蒙古語、チベット語、ウイグル語、カザフ語、朝鮮語、イ語、チワン語の7種の言語に翻訳し、会議では、同時通訳を行っています。(編集:GK)
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