「音楽の散歩道」、今週は先週に引き続き、蒙古族の心の歌、長唄を四曲をお届けしています。
蒙古族の民謡長唄は、非常に歴史が古く、蒙古族が成り立ったときから今日まで伝わってきたものだそうです。草原や日ごろの遊牧生活によって育まれ、蒙古族の歴史文化や風俗習慣、道徳、哲学および芸術に対する考え方が歌われ、「草原音楽の生きた化石」と呼ばれています。
長唄の、音階の変化が少なく、高らかで抑揚のあるリズムは、草原の広さと遊牧民の穏やかな性格をよく表現しています。内容はほとんど蒙古族の普段の生活に密接にかかわるもの、たとえば、草原や駿馬、駱駝、牛、羊、青空、白い雲、川、湖などです。
その中で、愛が長唄の重要なテーマの一つとなっています。広大な大地に暮らし、遊牧生活を送っている蒙古族の人々は、愛に対して独特な思考と表現方法を持っています。長唄もこんな愛を原動力として育まれたものではないでしょうか。
長唄は叙事にも叙情にも長けています。結婚式や家の落成式、子供の誕生、子馬に焼き印をつける時など、蒙古族の重要な社会的・宗教的な儀式の際に歌われています。また、蒙古族の独特なスポーツ競技、ナーダムでも聞くことができます。こうしたすばらしい長唄は、蒙古族の民謡歌手が代々口伝えで伝えられてきたものです。後世にも受け継いでもらいたい宝物ですね。
自然や命、愛情などを真摯にたたえる蒙古族の心の歌、一度聞いたら忘れられなくなります。チャンスがあれば、広々とした内蒙古の草原に旅たち、この貴重な歌声を聞きに行きませんか?
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