今週の番組では、「中国のウグイス」とたたえられるウィグル族歌手、ディリバイルさんが歌った中国の民謡を三曲お届けしています。ウイグル族は、新彊ウイグル自治区で圧倒的に多数を占める民族で、イスラム教を信仰し、歌や踊りが得意です。1958年、ディリバイルさんは、新疆のカシュガルの知識人の家庭に生まれ、1980年、中央音楽学院オペラ学部に入学しました。
一曲目は、ディリバイルさんが歌ったカザフ族の民謡「ツバメ」です。この歌はメロディがきれいで、若い男性がツバメという名の美しい女の子への恋心を歌っています。「ツバメよ!僕の大好きな彼女。僕の話を聞いてくれ。いつも親切で元気な君。微笑みが星のキラメキのように美しく、目も輝いている。きれいなくびと長い髪。おお、僕のツバメよ」と、若い男性の真摯な思いが歌われています。
そして、次の曲は、私が大好きなウィグル族の歌、「おいしい酒」です。この歌は弾むようなリズム感と軽快なテンポがとても新鮮で、男女の愛をおいしい酒に喩えています。「私の愛はおいしいお酒のよう、私が思いを抱いている人、どうぞ受け取ってくれ。ああ、恋人よ!あなたにいつも惹かれている。心からささげた酒を飲めば、きっと酔いしれるでしょう」と歌っています。
1984年、フィンランドで行われた第一回ミリアム・ヘリン国際声楽コンクールで、ディリバイルさんは、第二位という好成績を収めました。彼女は一躍フィンランドクラシック音楽界の焦点となりました。大学院卒業後、ディリバイルさんは、フィンランド国立歌劇団に加わり、「リゴレット」や「愛の妙薬」、「魔笛」など多くのオペラで主役を演じました。
三曲目は、ディリバイルさんが歌った雲南省の民謡、「小川の流れ」です。この歌は叙情的なもので、それを聴いていると、こんな光景が目に浮かぶことでしょう。「月のやさしい光が降り注ぐ中、女の子は小川のほとりに、男の子は茂った山にいる。月を眺め、恋しい人を思う。彼女の愛情のこもった呼び声が、高い山と谷に響きわたり、その人の耳元に届く」というような光景です。
みなさん、どうぞ番組をお聞きになって、ディリバイルさんの美声をお楽しみください。(BY:周莉)
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