今年、中国は、5月はじめの大型連休を取り消す一方で、4月4日の清明節や、旧暦で過ごす端午の節句、それから、満月を眺めながら一家団欒の時を過ごす中秋節など伝統的祭日を祝日にしました。先週末は、祝日となった初めての清明節、今年は土曜日曜と続いたため、三連休となりました。春先のピックニックの季節ですから、郊外に行っても、市内の公園やデパートに行っても、どこでも人がいっぱいでした。やはり厳しい寒さの冬から開放された人々のエネルギーはすごいものですね。
さて、今頃は、ちょうど新茶がそろそろ出回る時期です。先週末、私は北京の西の郊外に大覚寺へ、白もくれんの花を見に行きましたが、そのお寺は数百年の樹齢の木蓮の木とお茶を楽しむ静かな庭園があることで非常に有名です。木蓮が満開になる庭の一角に、丸いお鍋をしつらえて、手でゆっくりと揉む製茶の場面を見かけました。北京当たりには、お茶の木はないはずだと思い、良く見てみるとそれはお茶の葉ではなくて、非常に柔らかい取り立ての柳の葉っぱでした。その場で即売されていましたが、値段を見ると、1キロ1800元、およそ3万円です。柳でもそんな値段がするんだと思う一方で、お茶を飲む庭にそんな製茶のコーナーを設けることはなかなかいい試みだなとも思いました。
今週の「音楽の散歩道」では、「茶摘み娘」という歌をお届けしました。お聞きになりましたか。茶摘の季節に、客家の若い男女が、一問一答形式で歌う歌垣を通じて、恋を成就させる情景を歌っています。歌垣とは、特定の日に若い男女が集まり、相互に求愛の歌を歌いかける習俗です。中国の南部に広く分布しています。
この歌では、「山のお茶の木は青々として、可愛い娘が茶摘みをしている。娘の歌はがびちょうのさえずりのように美しく、若い男の心は弾む。山の草木は青々として、羊飼いの男は逞しい。その笛の音は美しく、娘の心の奥にまで届く」というふうに歌っています。
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