季節はいよいよ本格的な夏、夏の土用に入りました。日本では夏の土用の丑の日にうなぎを食べる風習があるそうですね。
中国北方のモーコ草原では、毎年、七月から八月にかけてのこの時期は、草原に緑の草が生い茂り、年に一度のナダム祭が盛大に開かれる、とても活気に溢れる季節です。「ナダム」とは蒙古語で「遊ぶ」という意味で。期間中はモンゴル相撲や競馬、それにアーチェリーなどが行われます。
ナダム祭の歴史は古く、今から六百年前の元の時代、ジンギスカンが戦の勝利を祝うため、盛大なお祭りを開いたのが最初だとされています。
それ以来、ナダム祭はモーコ族の恒例の行事の一つとして、毎年、開かれるようになりました。
では、そのナダム祭での激しい競馬のシーンを描いた「賽馬(競馬)」をお聞きください。
M. 「賽馬(競馬)」
今お聞きいただいた曲は、モーコ族の競馬を描いた曲「賽馬(競馬)」、日本でも有名なモーコ族の民族楽器・馬頭琴による演奏でした。
馬頭琴は長さ1メートルぐらいの楽器で、弦は、馬の尾の毛で作られ、頭部には馬の頭が彫刻されいるのでその名前が付けられています。
この馬頭琴の音色はとても美しく、それを聞いていると、内蒙古に広がる緑の大草原が脳裏に浮かんできます。
内蒙古の草原に行きますと、夏の夜、静かな草原で、若者が馬頭琴を引きながら、恋の歌を唄う情景がよく見られます。その歌声は、馬頭琴の深く低い音色と共に、広い草原に響き渡り、とても美しく聞こえます。
それでは、続いてお聞きいただくのはモーコ族の民謡「草原之夜(草原之夜)」です。
M. 「草原之夜(草原之夜)」
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