5月上旬、中国各地では少数民族が春の到来を祝う様々なお祭りを行います。いずれも伝統的なお祭りばかりです。なかでもタイ族の水掛祭りやプイ族の田植祭り、それにミャオ族の英雄・アヌーを祭るアヌー祭りなどが有名です。毎年ゴールデンウイークの前後に様々なお祭りが行われます。
さて、今日の民族メロディーは先週に引き続き「春」をテーマに中国各地の民族音楽をお送りします。まずは陜西省の民謡「黄河幾十幾道湾」です。黄河は昔から中華民族にとって「母なる河」と称えられてきました。毎年春になり、川を覆った氷が溶けると、黄河での舟の運行がとても困難になります。この歌は船頭たちが激しい本流で舟を進ませる険しい情景を再現しました。
黄河幾十幾道湾
この素朴な民謡を聴くと、西部に広がる広大な黄土高原の独特な息吹を感じます。さて、続いてお送りするのは、中国で有名な笛の奏者・王次恒さんが創作・演奏した「棗園春色(棗園の春)です。中国では笛は主に梆笛と曲笛の2種類に分けられ、梆笛は北方地方に広く伝わり、高くて明るい音色でよく北方地方の農家の生活を表現しています。この曲は優しく明るいメロディーで春の棗園の情景を巧みに表現しています。
棗園春色
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