温家宝首相はこのほど、全国人民代表大会で行った政府活動報告の中で、中国中西部の農村に住む妊婦に対して、2008年から分娩補助金を交付することを明らかにしました。中西部とは、山西や内蒙古、吉林、黒竜江、安徽、江西、河南、湖北、湖南、重慶、四川、貴州、雲南、チベット、陝西、甘粛、青海、寧夏、新疆、広西の各省、自治区を指します。
全国人民代表大会の娘毛先代表は、青海省黄南チベット族自治州人民病院産婦人科の医師です。33年間、数え切れないほどの赤ちゃんをこの世に取り上げました。娘毛先さんは、「西部地区の産婦人科医師である私にとって、最も悲しいことは、妊婦と新生児に不幸が起きることだ」と語りました。娘毛先さんによりますと、2007年、黄州の農民と牧畜民の平均所得はわずか1600元(日本円でおよそ2万4千円)でしたが、妊婦の分娩費用は400?600元が必要で、経済的負担が非常に重いというのが現状です。一部の妊婦は病院に行けず、自宅で子供を産もうとした結果、母子二人が死亡するなどの悲劇も起きています。
この補助金交付により、中西部の95%以上の母子の健康が保障されることになります。
甘粛省粛南裕固族自治県の安国鋒県長も全国人民代表の一人です。安代表は、「同じく貧困地区であっても、各地の生活レベルや医療条件などが異なるため、国が補助金の金額を決める際は、実情を考えるべきだ。国の資金を最大限に利用してほしい」と意見を述べました。(文:藍暁芹)
|