中国の少数民族の一つ、蒙古族にとっても、旧正月の「春節」は大切な祝日です。内蒙古自治区シリンゴールのある町に暮らすエンホさんは、長年、馬に乗って、親戚親友の家々を訪ねるという昔ながらの年始回りの伝統を守ってきましたが、ここ数年は少し様子が違います。エンホさんのポケットからは、携帯電話の音が頻繁に鳴っていました。
「届いたのはショットメッセージ。親戚や友達が送ってくれた新年の挨拶です。これまで50以上。わたしからも結構送りました」
携帯のショートメッセージで新年の挨拶をするのが、数年前から、全国で流行りだしました。今では、地方でも、これが当たり前となりつつあります。
エンホさんによりますと、草原に暮らしている牧畜民の家はそれぞれ遠く離れていることから、これまでは、悪天候や道路の影響を受けて、新年の挨拶ができなかいことが度々ありました。でも、この二年、携帯電話の普及で、顔をあわせなくても新年の挨拶ができるようになったということです。
もう一つの挨拶も流行っています。テレビやラジオ番組を通じて、親戚や親友のために音楽のリクエストをすることです。エンホさんは、衛星テレビの蒙古語チャンネルで遠く離れた親戚に祝福を込めて、一曲リクエストしたそうです。費用は100元かかりました。エンホさん一家もテレビやラジオから「曲」のプレゼントを受け取りました。
エンホさんの家では、インターネットも使えるようになりました。今年は、ネットの世界で、皆と交流できるようにすることが、「目標」なのだそうです。(文:藍暁芹)
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