布朗(プーラン)族は、中国南方の少数民族の一つで、全人口は、およそ10万人です。主に雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州のもう海、景洪、臨滄地区の双江、永徳、雲県、耿馬、思茅地区の瀾滄、墨江に暮らしています。
布朗族は布朗語を話します。この言葉は、南アジア語系、バングラデシュ・カンポジア語派に属しているものです。自らの文字はありません。その多くが、小乗仏教を信仰しています。
民族文化を保護するため、シーサンパンナ・タイ族自治州政府は、2年前、もう海県西定郷章朗村を博物館に指定しました。
村全体はおよそ180ヘクタールです。うっそうとした森や、天然の洞窟、滝など美しい風景のほか、この1400年以上の歴史を持つ村には、国内で最大の布朗族のお寺・古仏寺や数百年前から茶葉が栽培されてきた「古茶園」、それに、古い塔、堀、古城などが残されています。布朗族224世帯、合わせて1020人が古くから伝わる風俗習慣や、生活の営み、宗教などを守っています。
地方政府は、博物館の設立について、村の人々に説明し、また、150人余りの村人を選んで、研修を行ってきました。さらに、村内に1300平方メートルの「布朗族文化交流展示センター」を建設しました。そこでは、実物や写真、文字、映像などによって、布朗族の歴史や文化、生活、民族衣装、マナー、宗教などを紹介しています。
村人たちは、自ら「博物館」を管理しています。人々は畑仕事をしながら、交代で、観光客の案内役を務めます。訪れた人は、村のあちこちを見物した後、布朗族の家に入り、一緒にご飯を食べたり、酒を酌み交わしたりできます。また「月琴」という楽器の伴奏で歌う布朗族の民謡も人気です。(文:藍暁芹)
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