鄂倫春(オロチョン)族は、中国の55の少数民族の一つで、全国での総人口はわずか7000人ほどです。そのほとんどは、内蒙古自治区と黒竜江省が接したところにある山、大興安嶺と小興安嶺に住んでいます。
「オロチョン」は、この民族の自称で、オロチョン語では、「連峰の上に住む人たち」を意味します。1940年代までは、狩猟で獲った動物を部落の内部で平均的に割り当てるなど共同分配という原始社会の習慣を保っていた狩猟民族でした。1949年、新中国成立後、オロチョン族は、一挙に社会主義経済に組み込まれました。
鄂倫春族は、シャーマニズムを信奉し、自然界の事物を崇拝し、万物には魂があると信じています。そこで、人間と神様の間にいる伝言者ーーシャーマンが生まれました。
シャーマンは神様の使者と言われ、人の言うことを神様に伝える重要な使命を担っています。1940年代までは、毎年春と秋、恒例の祭祀活動を行っていました。馬に乗る鄂倫春族の人々は、獲物の肉を持ち、決めたところに集まり、先祖を祭ったり、神様に豊作や息災などを祈るための踊り、「シャーマン踊り」を踊ったりしていました。お祭りの後には、ゲームや出し物、スポーツなどを楽しみました。
いろんな理由で、シャーマン踊りは、数十年の間に、姿を消してしまいました。しかし、20世紀70年代の末に、黒竜江省黒河市遜克県新鄂鄂倫春族民族郷のオロチョン族の人たちは、昔のシャーマン踊りに基づき、新しい踊りを作りました。今は、年に一回行われるお祭りで踊っています。(文:藍暁芹)
|