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広州の春節の花市 |
広州の春節の花市 |
広州の春節には、ミカンは欠かせないものです。というのは、広東語のミカンは、めでたいという意味の「吉」と発音が同じだからです。来年は何事もうまく行くようにという意味を込めて、春節に必ず観葉植物のミカンの木を家で飾ります。
大晦日の夜は、必ず一家揃って食事をします。最近、大晦日のディナーは外食が増えて、どこのレストランも満員です。人気のところは、2ヶ月前から予約が入っています。食事のあと、ふつうは花の市に出かけます。毎年の春節前から、広州市のいくつかの場所で花の市が開かれます。水仙、ラン、ゆりなど、花の種類が豊富で、中でも一番人気は、生姜の花です。広州の別称は「花の都市」です。
花の市を廻ったあと、年配の人たちは家に帰って中央テレビ局の新年特別番組を見る人が多いんですが、若い人はカラオケなどに行って徹夜で遊びます。そして、翌日の春節当日は、あまり外出しません。家でゆっくり体を休ませます。二日目は家族で揃って、外で飲茶をします。ですから、二日目もレストランが込み合います。三日目からは、旅行に出かける人もいます。
春節の食卓に欠かせないものには、鶏と「発菜」という野菜です。この野菜の名前はお金持ちになるという意味があって、縁起がいいのです。
広州ではお年玉は子供だけでなく、結婚していない人なら、50歳の人でももらえます。お店の店長や社長は、お正月に働いている全ての職員にお年玉をあげる風習があります。お金はほんの僅かでも、一元でも構いませんから、赤い紙で包んで渡さなければなりません。
春節の挨拶言葉は、広州では、「恭喜発財」といいます。直訳すると、「儲かりますように、お金が入りますように」という意味になります。広州では商売する人が多いですから、"儲かるかどうか"は仕事や生活に直接かかわります。いま、この言葉は全国に広がってます。
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上海の春節 |
上海の春節 |
一方、上海は、昔、隣の江蘇省や浙江省から来ている人が多いですから、春節の過ごし方は、そちらの地方の風習にかなり影響されています。大晦日の夜は、夫の側の実家に集まって食事をします。春節当日は奥さんの実家に挨拶に行きます。二日目から、親戚や友人が集まったりします。
春節の間に、子供は必ず新調した服を着て、近所や親族、友人の家に年始回りをします。そうすると、必ずキャンディがもらえます。甘いものは縁起がいいですから、幸せになるという意味も込められています。
また、春節の間、特に最初の5日間は、はさみを使ってはいけないと言われています。はさみの発音は「減少、減る」という意味にもなりますから、幸せが減らないように、という意味です。それから、ひまわりの種などのお菓子を好んで食べますから、ゴミがいっぱいできますが、ゴミを外に出してはいけません。幸せが逃げてしまうからだといわれます。
春節の食べ物は北方とかなり違います。初日の朝は「湯元」を食べます。「湯元」はもち米で作られる丸い食べものです。昼と夜はワンタンを食べます。あとは、必ずセリともやしを食べます。もやしは成長が早いから、縁起がいいとされています。セリは発音が「勤勉」の発音にそっくりですから、今年もよく働くようにという意味を込めてだと思われます。
このように、各地で全く異なる春節の風習ですが、「春節が一家団欒の日」というのは、広い中国、どこへ行っても変わりません。家族を大事にしなければならない、親孝行をしなければならない、これは中国人にとって、最も大切な価値観でもあります。
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