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巻物と雲が語る北京五輪の聖火トーチ
   2008-01-03 14:46:29    cri

 オリンピックで聖火リレーが初めて行われたのは1936年のベルリン大会でした。それ以来、毎回の大会には主催国の文化の特色を表現したトーチが使われています。

 北京オリンピックのトーチデザインは、「巻物」と「雲」が二大特徴です。「巻物」とは、中国の四大発明の一つ「紙」をくるっと巻いたような形。そして、めでたい色を使った「雲」の模様が描かれているのです。

 雲は、天と地の間に生まれるものです。小さくて薄い雲が集まって、勢いのある大きな雲を作ることができますが、やがてまた散っていきます。この情景は、まさにオリンピック開催時に、世界中から集まって、やがて離れていく選手、観客たちと同じです。

 雲の紋様に決めた理由は、これだけではありません。日本の皆さんは、故宮などの旧跡を訪れると、龍の模様をよく目にすると思いますが、注意してみれば、龍の周りには、必ず雲があしらわれています。

     

 「龍は中国のシンボルであり、昔から龍と雲は切っても切れない関係にあります。実は、めでたい印の雲をデザインに決めた後、なぜ龍にしなかったのかとよく聞かれます。でも、中国文化に詳しい人なら、渦巻き雲を見れば龍のことが浮かぶのではないかと思います。したがって、あえて雲だけの模様にすることで、想像する余地を与えたというわけです」(デザイナーの姚映佳さん)

 つまり、トーチのデザイナーは、雲を描くことにより、中国のシンボルである龍を思い浮かべてもらおうと考えたというわけです。

 いよいよ今年の3月、ギリシャのオリンピアで聖火の採火式が行われます。その後、2万1880人に上るランナーたちが、海外の21都市、そして中国の100以上の都市をリレーします。聖火リレーのテーマは「情熱に火を灯し、夢を伝える」ですが、この情熱と夢、それにトーチデザインに秘められた中国文化が、いつまでも伝わっていってほしいと思います。

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