「刀竿祭」は、主な中国南部の雲南省に住む少数民族・リースー族の最も盛大なお祭りです。毎年の旧暦2月8日に開催されます。
このお祭りは、数百年前から始まり、リースー族のかつての英雄を記念するためだそうです。
お祭りは、広々とした空き地で行われます。男たちは、鋼製の刀36本を用意します。すべての刀は鋭く研ぎ澄まされています。刀は、二本の大木にしっかり縛りつけられ、はしごを作ります。刃は上向きに組み立てます。
銅鑼の音の中、まず、先祖を祭る儀式が行われます。祭を司るお年寄りは、「聖なる水」とされる水を枝で、まもなく「刀のはしご」をのぼる若者の頭にかけます。そして、若者たちは、とうもろこしで作られたお酒を飲み干し、はだしではしごをのぼっていきます。空き地では、リースー族の人々は、あかあかと燃えている焚き火を囲んで、踊りながらこう歌っています。
「一羽の子鳥が雪山を乗り越えようとしている。風が強く、前に進めないが、この山からあの山まで、子鳥は、勇気を出して、のぼっていく」
はしごを上る若者は、この古くから伝わってきた民謡を口ずさみながら、一歩一歩あがっていきます。一番上に着いたら、難しいアクションを演じて、挿し込んである赤旗をあちこちに投げて、爆竹を点火します。それからまた一歩ずつ降りて来ます。両足にはまったく傷がありません。「刀のはしご」をのぼるのは、おじいさんから、孫に教えることしかできないそうです。
30分後、焚き火は、赤い炭となります。若者たちは、また、はだしでその上を歩きます。
これは、私たちが普段、よく使う言葉「上刀山、下火海(刀の山を登る、火の海に降りる)」です。リースー族の若者の勇敢さに感心します。(文:藍暁芹)
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