「蜩(ひぐらし)」「捨てられて」「じょんから女節」…津軽三味線で立ち弾きしながら伸びやかな歌声を発する長山洋子さんといえば、日本ではお馴染みの歌手だと思います。そんな長山さんが、デビュー15周年という記念すべき年に、第9回上海国際芸術祭に参加し、初めての海外コンサートを行いました。
「以前から中国に興味を持っていて、チャンスあれば、公演を行いたいというのが長年の夢だった」と語る長山さんは、この日、1時間半にわたって、「さだめ雪」「捨てられて」「絆」「蜩」「悦楽の園」「じょんから女節」など、過去のヒット曲から新曲まで全部で16曲を熱唱しました。
2曲歌った後、長山さんは舞台の真ん中に立ち、中国語と日本語を交えて観客にあいさつしました。
流暢ではない中国語でしたが、長山さんが一音一音をかみ締めるように語りかける姿に観客も思わず引き込まれ、会場は大きな拍手に包まれました。
このコンサートでは、中国語で挨拶のほか、さまざまなところで長山さんの心遣いが見られました。
中国の人々に、演歌・三味線・着物という日本の伝統文化を伝えようと、コンサートでは、4度にわたって「お色直し」して、白・黄・ピンク・青・紫の5種類のあでやかな着物姿を披露しました。
また、アルバム収録曲「望郷ひとり泣き」で、中国の伝統楽器である二胡と日本の津軽三味線を共演させるというアレンジをしました。さらには、中国人にはおなじみの歌手テレサ・テンさんの名曲「時の流れに身をまかせ」をカバーして歌いました。
中国では日本の演歌はあまり知られていませんが、今回のコンサートをきっかけに、中日両国の歌などの交流を行っていきたいと、長山さんは意気込みます。
「今回は、まさにいいチャンスをつかんだので、ただ上海でコンサートをやったということだけで終わりたくないです。これをきっかけに、中国の民歌も含めていろいろな文化との交流を続けていきたいと思います。」
来年は北京オリンピック、2010年には上海万博が開かれる中国で、日本の伝統文化・演歌をアピールした長山洋子さん。今後も、中国各地で、公演を行う予定だということです。中日両国の交流の懸け橋として、これからも大活躍されることと思います。(鵬)
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