10月の北京は、菊の花が一番きれいな季節です。満開の菊の花の中で、お酒を飲みながら、季節の蟹を食べるのが、今の北京の何よりも贅沢な楽しみです。
こんな美しい季節を迎えている北京からお送りします「民族メロディー」。今日は、少数民族出身の有名な歌手たちが歌った民謡を特集します。
まず、ご紹介しますのは、蒙古族の有名な民謡歌手・ラソーロンが歌った蒙古族の民謡「牧歌(牧歌)」です。蒙古族は、主に中国北方地方の蒙古草原に暮らしています。自分を「牧畜民の息子」と称しているラーソンもまた、その広大な草原で生まれ育った1人で、その歌声は美しく澄み、草原の息吹を感じさせます。
M. 「牧歌」
青空に 白雲が流れ その下を 白い羊がいく
まるで草原にまかれた白銀のように 人は歓喜する
では、次にお送りしますのは、朝鮮族の民謡歌手・方初善が歌った「阿里郎(アリラン)」です。中国東北地区に暮らしている朝鮮族は、歌と踊りが大好きな民族で、その民謡は独特のリズムと素晴らしい舞踊性を持っています。
M.「阿里郎」
「アリラン」という歌は、キキョウを掘る娘を歌った「トラジ」とともに、朝鮮民謡として朝鮮半島内外で最も有名なものの一つです。明るいメロディーのトラジと哀調を帯びた「アリラン」は朝鮮民謡の代表作と言えます。そのメロディーと特に一番の歌詞は民族感情のひとつであるハン(?;恨)の感情を表すともされます。歌詞に歌われているアリラン峠は伝説上のもので、朝鮮半島各地にある同名の峠はこの歌にちなみ、後から地名としてつけられたものと考えられます。
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