今日の民族メロディーは中国民謡音楽界で最も影響力をもつ人物・女性歌手の宋祖英さんをご紹介します。
中国南部の小さな町で生まれた宋祖英さんは、秀でた音楽の才能と美しい容姿で成功を収めました。辺鄙な町から大都市・北京へ上京し、今では中国で彼女のことを知らない人はいないと言われるほど有名な歌手となり、2003年には音楽の都・ウィーンの国立歌劇場で開かれた独唱コンサートも大成功を収めました。では、今日まずお送りするのは宋祖英さんがウィーン国立歌劇場で唄った中国の有名な民謡「茉莉花(マツリカ・ジャスミンの花)」をお聞きいただきましょう。この歌は元々江蘇省の民謡ですが、19世紀末、イタリアの作曲家プッチー二のオペラ「トゥーランドット」の中で使われたことがきっかけとなり、世界各地の人々に愛され、歌い継がれています。
茉莉花 4'30''
中国南部の小さな町で生まれた宋祖英さんは、14歳の時に父親が重病で亡くなり、その後は母1人で4人の子供を育てあげました。このような幼少期の苦労もあり、宋祖英さんは他の人にない我慢強さや意思の強さを持っています。1987年、彼女は中央民族大学の音楽舞踊学部を卒業し、全国少数民族声楽コンクールで最優勝賞に輝きました。このコンクールで中国音楽学院の学長・金鉄霖教授に才能を見出されたした宋祖英さんは金教授の指導の下、中国音楽学院の大学院へ進学しました。小さな町から来た少数民族の歌手は、わずか数年で中国の国民が最も好きな民謡歌手となりました。また、中国民謡歌手の代表として、世界各地を訪れています。2002年、彼女はオーストラリアのシドニー歌劇場で「好日子(ゆとりのある日々)」と題した独唱コンサートを成功させました。では、彼女がシドニー歌劇場で歌った「好日子(ゆとりのある日々)」をお楽しみください。
好日子2'45''
2003年11月、中国の小さな町から来た歌手・宋祖英さんはオーストリアのトーマス・クレスティル大統領の招きでウィーン国立歌劇場で独唱コンサートを行いました。彼女の東洋的な歌声と美しい容姿はヨーロッパの観客の心を打ちました。
次にお送りするのは宋祖英さんがウィーン国立歌劇場で歌った「龍船調(竜船の歌・ドラゴンボートソング)」です。湖北省の民謡であるこの歌を、オーストリア国家民族歌劇院合唱団のコーラスと宋祖英さんの澄み渡る歌声で、コンサート会場もクライマックスに達し、歌が終わっても拍手が鳴り止まなかったそうです。
竜船調 2'15''
宋祖英さんは海外との音楽交流について「中国は経済が発展するのと同時に、民族文化や民族音楽を世界に紹介する必要があります。私は音楽を掛け橋として、より多くの国の人々に中国の多彩な民族性を知らせたい」と語っています。
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