中国では毎年5月になると各地で様々な合唱コンクールが行われます。このような合唱コンクールに参加するのはほとんどがアマチュアの合唱団です。
中国「放送の友」合唱団は中国で有名なアマチュア合唱団の一つです。メンバーは教師や医者、公務員など様々な業種で働く人々です。
この合唱団は1978年に結成されて以来、国内外を問わず数多くのコンクールで優勝するなど、輝かしい実績を収めてきました。また、1991年9月に開催された福岡アジア合唱音楽祭に参加し、彼らのステージは大成功を収めました。では、まず中国放送友の合唱団が歌う青海省民謡「半個月亮爬上来(三日月が昇る)」をお送りしましょう。この歌はウイグル族の民謡を元にアレンジしたもので、ウイグル族の若者が好きな女性とデートしたいという恋心を歌で表現しています。「何故、彼女は現れないのか?」という歌詞は、月が雲にかくれてなかなか姿を表さない様子を、若者が好きな女性を想い、ひと目姿をみたいと恋焦がれる気持ちと重ねています。
半個月亮爬上来
中国「放送の友」合唱団の創始者は、中国で有名な指揮者・胡増栄さんです。胡さんの指導の下、このアマチュア合唱団は実力をつけ、難易度の高い曲を次々にこなしてきました。1995年6月には、イタリア音楽界で最も有名な「ファノ国際合唱祭」にも参加しています。当時、イタリアの新聞「アドリアポスト」は「29カ国、123もの合唱団の中で、この合唱団は最も素晴らしい合唱団のひとつであり、そのすばらしい東洋人の歌声は多くの聴衆を魅了した」と報じました。では、つづいてお送りするのは、「放送の友」合唱団が歌った陜西省民謡「蘭花花」です。この曲は1930年代に蘭花花という若い娘が起こした、自由恋愛を求める行動を歌っています。
蘭花花
放送友の合唱団は1987年から、国内外で多くのコンサートを行っているほか、ラジオやテレビ放送のために多くの合唱作品を録音してきました。次にお送りするのは東北民謡「揺藍曲(子守歌)」です。この歌の女声独唱部分を唄った歌手・周健霞さんは、中国音楽界でも実力派のソプラノ歌手と言われ、その歌声はとても甘く美しいものです。
揺藍曲
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