国際児童デー(6月1日)には中国各地で様々な子供向けの催しが行われましたが、その一つとして、先週金曜日、北京で児童劇『アンデルセン』が上演されました。
この劇は、デンマークの童話作家、アンデルセンの生誕200年(2005年)を記念して作られたものです。
「父の影響から舞台や劇に興味を持ち、シェークスピアのような劇作家になることを決める…夢を抱えながら故郷から首都コペンハーゲンに向かい、みにくいアヒルの子・人魚姫・ウグイスなど、のちに作品に出るキャラクターと出会う…お互いに励ましあって試練を乗り越え、ついに世界最高の童話作家になる」というアンデルセンの幼年時代から青年時代にかけての人生を描いたものです。
内容の素晴らしさはもちろん、北京児童芸術劇院をはじめ、西安、済南など6劇団が総力を挙げてつくったもので、舞台美術や音響、そして俳優陣までどれをとっても超一流の舞台です。
さて、作品の出演者の一人に、実は、日本人の子役がいます。
加藤龍一くん、7歳です。去年、お母さんと一緒に北京にやってきて、現在、地元の小学校で中国の子供たちと一緒に勉強しています。本人が日本人だといわなければ、まったくわからないほど中国語が上手。今回、1000人あまりの応募者の中から、見事、オーディションで選ばれたのです。
セリフ自体はそれほど多くなかったのですが、笑ったり、驚いたり、手をたたいたりして、豊かな表情と大きな動作で、中国人の役者たちにまじって、見事に劇を盛り上げていました。しかも、ベテラン俳優さながらに、最初から最後まで堂々と演じ切り、上がっている様子は少しも見られませんでした。
公演後、「中国に来て舞台に出れて、楽しかった」と笑顔で語った加藤君。将来の夢はやっぱり「俳優」だそうです。
この劇は、夢に向かって歩み続ける若きアンデルセンを描いたものですが、まさに加藤君もこの劇をスタートに自らの夢に向かって、第一歩を踏み出したというわけです。そんな加藤君に、児童劇『アンデルセン』の制作者のこの言葉を送りたいと思います。
「努力さえすれば、誰でもアンデルセンになれる!」 (鵬)
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