レワープは14世紀に中央アジア地域で生まれた弾奏楽器で、その後、中国の新疆ウイグル自治区に伝えられ、今ではウイグル族・ウズベク族・タジク族など多くの民族に愛されています。長さは130センチ、共鳴箱は半球形で、その上にヒツジまたはウワバミの皮が張られています。演奏の際は、左手に琴を抱えて胸の前で横にし、右腕で共鳴箱を支えます。そして、右手に撥(ばち)を持って弾きながら左手で弦を押さえます。レワープは独奏や合奏のほか、伴奏にもよく使われています。有名な伝統的レワープ楽曲には「シャディヤナェ」、「タシワイ」、「グンディパイ」などがあります。
そのうち、「タシワイ」という曲はウイグル族の有名なレワープ奏者・タシワイが生前よく演奏した曲です。タシワイの死後、人々が彼をしのんで、彼の名前を曲名としたそうです。この曲はタシワイの悲しい恋と自身の心境を描いたものです。
タシワイは小バイラム祭(開斎節)で美しい娘・アネルグリーに出会い、一目ぼれをしていました。タシワイとアネルグリーはお互いに愛し合いますが、アネルグリーの家族に猛反対されました。二人は家族の反対を押し切れ、故郷を離れ、流浪生活を始めました。しかし、それからまもなくアネルグリーは難産の末、不運にも命を落としてしまいました。ひどく悲しんだタシワイは自身の心境を曲に表しました。
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