
今日の中国民族メロディーは民族楽器・ソナーを紹介しましょう。ソナーは日本でいうチャルメラで、元々はペルシャやアラビア半島の方で生まれた古い楽器で、今から700年前の明の時代に中国へ伝わったものです。ソナーの音色は非常に高らかで、中国北方地方の地方劇や民族音楽でよく使われています。特に中国の農村部では、ソナーを銅鑼や太鼓などと組み合わせて使い、楽しく賑やかな雰囲気をうまく演出しています。冠婚葬祭や豊作祝い、住宅の新築などお祝いの場面でよく登場する楽器です。では、まずお聞きいただく「百鳥朝鳳」は様々な鳥が鳳凰に謁見するという意味があり、ソナーの最も有名な曲です。鳳凰は伝説上の鳥の王様と言われていることから、この曲は多くの鳥が、鳥の世界で王様とされる鳳凰のもとに参上する情景を描いています。

百鳥朝鳳
昔、ソナーの演奏曲は少なく、演奏方法も単調なことから、多くの人々は、ソナーはただ明るく楽しい音楽しか演奏できないと感じていました。しかし、ここ数年、多くの演奏家たちが素晴らしいソナーの曲を作り、演奏内容も多様化したことで、より多くの人々に好まれるようになりました。
では続いて、中国西南部貴州省トン族自治州に活躍しているトゥチャ族のアマチュアのソナー楽団が奏でる「小放牛(牛飼い)」をお楽しみください。この楽団は数十個ものソナーと太鼓、銅鑼、そして弓で弾く胡琴など、多くの民族楽器で構成される楽団です。地元のお年寄りの人たちによれば、この楽団は400年もの歴史を持ち、地元のトゥチャ族伝統文化を代表するものとなっているそうです。この「小放牛(牛飼い)」という曲は少女が牛飼いの少年に道を聞き、二人のユーモアあふれるやりとりを生き生きと表現しました。
小放牛
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