中国には、漢民族のほか、55の少数民族が暮らしています。そのうち、ロシア(俄羅斯)族という少数民族がいることはご存知でしょうか。
2000年の調査によりますと、ロシア族の人口は15609人。主に、新彊ウイグル自治区のイリや塔城、アルタイ、ウルムチなどに住んでおり、一部は、黒竜江省と内蒙古自治区に暮らしています。
ロシア族の言葉はロシア語で、多くはギリシャ正教の信者です。
やはり、隣国のロシアとの関わりが深い民族です。18世紀、ロシア族はロシアから新疆などに遷りはじめ、19世紀からロシア革命前後にかけての間、多く中国に移住しました。その時、ロシア族が住む村は「帰化村」、ロシア族のことは「帰化人」と呼ばれていました。1949年新中国成立後、「ロシア族」という呼称が正式に定められました。
ロシア族の風俗習慣は、ロシアの人々と余り変わりませんが、中国に遷ってから、かなり時間が経ったので、違うところも少なくないそうです。
余談ですが、現在、北京放送では、内装工事が行われていて、日本語部とロシア語部が、同じ仮オフィスを共有しています。すぐそばにいるロシア語部のスタッフがいるので、いろいろ話を聞いてみると、彼女にもロシア族の知り合いがいるそうです。そのロシア族は新疆出身なのですが、同化が進み、ロシア語は全く話せないそうです。
このほど、ロシア族がたくさん暮らす内蒙古自治区エエルグナ(EERGUNA)市に、「ロシア民族研究会」が発足しました。民族の文化を守り、他の民族との交流を促していくのが主旨だということです。(文:藍暁芹)
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