今回はリスナーのリクエストにより「繍荷包」という民謡をご紹介いたします。
「荷包」は中国の伝統的な入れ物で、円形や桃の形、瓢箪の形などいろんな形があり、その上には花卉、鳥獣、草、虫、山水、人物及び縁起言葉、詩歌などの刺繍が施されています。以前は、ベルトに垂らす飾りや着物を止めるのに使われていました。若い女性はよく「荷包」を作って、好きな人に贈ります。「荷包」に刺繍を入れながら、歌っている恋の歌は、この「繍荷包」です。
また、地域によってメロディと歌詞も違います。ここで南の雲南省と西の山西省の民謡「繍荷包」をご紹介いたします。
雲南省の民謡「繍荷包」の歌詞:
「小さな荷包が房を垂れている
わたしが刺繍を入れた荷包を あなたは腰に付けている
わたしが荷包に刺繍を入れて それをあなたが腰に付ける
小さな荷包
小さなナイフ
あなたの腰に付ける
あなたよ
待ってください
わたしのほかに 待つ人はいないでしょう
荷包を作って あなたにあげる
あなたへのメッセージがある
刺繍用の糸を買って来てね
赤の、緑の糸をたくさん買って来てください
あなたがほしがっている荷包を作ってあげる
わたしが作った荷包を 腰につけたあなたは
町を歩いていく
わたしはあなたについて行く
わたしはあなたについて行く」
グループ「ブラック ダックス」(黒鴨子)が歌った雲南省の民謡「繍荷包」も聞いてください。
次は、山西省の民謡「繍荷包」です。
歌詞:
「お正月の一日から十五日まで、十五夜のお月様が高く昇っている
春風が吹き、柳の枝が揺れる
鏡の中、桃花が咲いたようなわたしの頬
彼から手紙が来た
「荷包がほしい」と書いてある
まず赤い牡丹を刺繍する 針がぴかぴか
この糸で彼の心をつなぎたい
そして蓮の花を刺繍する 赤い糸に緑の糸
蓮の芯は苦くて蓮根は甘い 蓮根の中の糸は切っても切れない
明るい月が窓に照らしている 彼を思ってなかなか眠れない
あなたよ この荷包を見たら はやく戻ってきてください」
最後に、人気の民謡歌手、山西省出身の阿宝が歌った「繍荷包」(音頻:shanxixiuhebao02)をお送りいたします。
(文:ラン)
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