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弓の腕を披露する珞巴族の若者 |
村の安全と幸福を祈る司祭 |
珞巴族の村を流す川 |
(以上、『民族画報』提供の写真と資料より)
珞巴(ローバ)族は中国55の少数民族の一つで、人口はわずか3000人ほどです。(2000年国勢調査より)主にチベット自治区東部の洛渝地区および近くの察隅、墨脱、米林などに住んでいます。
「珞巴(ローバ)」という民族の名称はチベット語で、「南部の人」という意味です。

珞巴族の人びとは万物に魂があるとする原始宗教を信仰しています。
珞巴族は昔から、ヒマラヤ山脈の山麓で生活していました。社会の発展が遅れ、20世紀50年代に入っても、まだ原始社会末期の家父長奴隷制度の段階にありました。また焼き畑農法という原始的なやり方で農業を営み、トウモロコシや稲などを栽培していましたが、収穫量が低かったので、狩猟や採集に頼っていました。それもあって、珞巴族の男性はほとんどが非常に優秀な「猟師」でした。
『民族画報』のヤンジン記者は、このほど、チベットとインドの境に位置する林芝地区の珞巴族の村を訪れました。
この日、村では、お祝いの宴会が行なわれていました。村長はヤンジン記者をその家まで連れていきました。

家のご主人はダマさんで、息子さんが北京にある「チベット中学」に受かったため、村人が集まり、盛大にお祝いしていたのです。珞巴族は自民族の言葉・珞巴語を持ちますが、文字はチベット語を使っています。年配者は珞巴語しかできませんが、若者たちは、珞巴語のほか、チベット語も使いこなすそうです。
お客さんをもてなすのは、まず何と言っても地酒。男性はお酒を勧める民謡を歌い、女性はお客さんにお酒を注ぐのが珞巴族の礼儀です。ヤンジン記者が残念に思ったのは、民族衣装を身に纏う村人がほとんどいないことです。亡くなった家族は若者に弓などを残しますが、民族衣装や日用品などは「あの世に連れて行く」のが習慣だそうです。

また、珞巴族の伝統的な建物も姿を消していきます。
民族文化が消えていくことに心を痛めた村人は、近いうちに村に珞巴族のミニ博物館を作ることを決めました。
(編集:藍暁芹)
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