南北朝時代に、紹興酒は"甘い酒"とも呼ばれました。そうですね。いまの紹興酒も甘みがありますね。のちの唐代では、紹興は越州と称され、浙江東部の政庁所在地で、経済は発展し、景色もいいので多くの詩人、例えば賀智章、李白、杜甫、崔頴、孟浩然、劉長卿、白居易などを引き付けています。つまり、紹興酒は遠い昔から好評を博していたのですね。
ところで、紹興酒にはいろいろと別名があったようです。以下の別名は紹興の酒の特徴を現していると思います。
皆さんもご存知の「老酒」です。紹興酒は寝かせれば寝かせるほど香りが出てきて美味しくなります。かの南宋の詩人陸游のよき友で、同じく詩人であった範大成でしょうか?彼は、紹興酒のことを老酒と呼びこれは長く寝かせた酒で、南の人々にとっては貴重なものと言う意味の注釈を残しているほどです。
次に名士。清代の学者でもあった袁牧は、自分は酒はあまり飲めないが、酒の味はよく知っていると前置きして、紹興酒と白酒とを比べ、紹興酒を「名士」だと言い、紹興酒は清廉潔白な官吏のようで、その味は純粋で、名士のごとき、名はあとに残るというのです。、
「黄酒」、これはご存知ですね。
「紹興」これは産地の名を取ったもの。
「福水」、これは、民間の呼び方で、紹興酒には栄養があり、血液の循環をよくし、体が丈夫になるという。この別名は福をもたらす水という意味でしょうか?
「黄湯」、一部民間では黄酒を長い間こう呼んでいたそうです。かの「水滸伝」では、晁蓋が、怒ったふりをして劉唐に、「お前はまっすぐわしに会いに来ずに、途中であの黄湯を呑んだな!家では飲ませんというのか!わしの顔をつぶすのか?」と叱ったくだりがあるようですね。
「杯中物」、(はいちゅうのもの)。この名は、多くの文人に好まれたようで、大きな杯に注ぐことから出たようで、かの陶淵明、孟浩然などがその詩でこの別名をよく使っています。
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