第3回全国少数民族演芸大会が、9月5日から25日まで北京で行われました。期間中は毎晩、北京の各劇場でステージが繰り広げられ、漢族やチベット族、ミャオ族、タイ族など55の少数民族が、各民族に昔から伝わる歌や踊りを披露しました。
中国西南部の貴州省を中心に暮らしている少数民族・トン族の農民たちは、田植えなど農作業をしているときよく聞かれるセミの鳴き声を真似て、「セミの歌」を作りました。舞台で、数十人が歌ったその響きは、まさにセミが鳴いているように聞こえました。
また、中国の北方地区に住むモンゴル族は、800年以上の歴史を持つ「呼麦(ホーミー)」を披露しました。ホーミーは、歌い手がのどから低い声を出しながら、口の開け方を調整して、高い声も同時に出す歌唱法です。専門家によると、このモンゴル族秘伝の技法を身につけるにはかなり時間がかかり、現在、中国には、ホーミーが歌える人は100人くらいしかいないそうです。そうしたことから、ホーミーは、中国の無形文化遺産に登録されています。
このほかにも、第12回CCTV全国青年歌手大会の「原生態(伝統的な歌や踊りを意味する新語)」部門で優勝した雲南省のイ族の歌「金の鳥、銀の鳥」、また、田植えや糸紡ぎなど、日常生活で普通に見られる動作が組み込まれた踊りなどもありました。
まるで土の香りがするような、素朴で力強い第3回全国少数民族演芸大会のステージ。今週の「カルチャーサロン」では、そのもようをお届けします。
また、林涛さんの「中国昔話」では、中国の医術にまつわる小話をご紹介します。
今週の「カルチャーパワー」、どうぞお楽しみに!
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