劉大白(1880ー1932)浙江省紹興平水生まれ。中国近代の著名な詩人です。
「五・四運動」のころ、経亨頤、陳望道、夏丐尊とともに、「浙江四傑」と呼ばれ、「新文化運動」を積極的に推し進めた一人です。彼は郭沫若とともに新体詩の提唱者で、また大量の"新しい形式"の詩を書き残しました。詩集「旧夢」は彼の代表的作品で、この詩集に収録された詩は封建主義や帝国主義への批判を主旨とし、テーマが幅広く、内容も充実しており、その時代の精神をよく表現しています。劉大白は著名な詩人であるだけでなく、学術研究面でも大きな成果を収め、「文字学概論」、「中国文学史」などの著作を残しました。
劉大白は青年時代、積極的に清王朝や袁世凱に反対する革命活動に参加した同盟会のメンバーでもあります。1910年前後、紹興で同盟会会員である王世裕とともに「紹興公報」を編集。また辛亥革命後に「禹城新聞」を編集しました。袁世凱に反対する「第二次革命」活動に参加したことで、指名手配され、日本に亡命しました。東京滞在中も同盟会に加入しました。
袁世凱が亡くなった後、南洋から帰国し、1924年柳亜子氏をはじめとする「新南社」に参加。同年、「文学研究会」上海支部に加入しました。そして1924年2月末、邵力子の推薦で上海復旦大学の教授となりました。その後、上海大学の招きで、中国文学の教授を兼任しました。1928年1月、復旦大学をやめ、国立浙江大学の事務長に就任。さらに1929年8月15日、蒋夢麟教育相の要請により、教育省の事務次官となりました。1929年12月15日に教育省事務次官の仕事をやめた劉大白は、1931年から家に閉じこもり、創作に専念。1932年2月、杭州で亡くなりました。53歳でした。
|