藍暁芹です。先週に引き続き、カルチャーピックアップのコーナーを担当します。今日も中国55の少数民族の一つ、私の民族でもあるシェー族の話題です。
先日、ふるさと・浙江省麗水市に帰って、シェー族の現状について取材してきました。多くのシェー族が住むこの地区で取材を重ねるうちに、喜び半分、でも憂い半分の複雑な気持ちになりました。
自民族の文化を守るには、「言葉の伝承」が非常に大切です。シェー族は自らの文字は持たず、漢字を使っています。しかし言葉は、民族特有の「シェー語」を使っています。ただ残念ながら、次世代を担う若者の多くがシェー語を話せないのが現状です。三人姉妹の我が家で言いますと、上の姉夫婦はシェー族ですが、その子どもはシェー語を聞いて、だいたい意味を理解し、ところどころ知らない言葉があるくらいです。もう一人の姉は漢民族の人と結婚して、その子どもはシェー語が全く話せません。私自身も夫は漢民族で、子供の民族は自由に選ぶことができますが、意識的に子どもにシェー語を教えてあげないと、話すことはできないに決まっています。いかに自らの民族の文化を伝承していくのかは大きな課題であり、心配事の一つです。
でもうれしいことに、この問題に真剣に対処し、実際の行動に移している人々がいらっしゃいます。まず、先週の番組でもお伝えしたように、浙江省麗水市にはシェー族資料館が完成し、民族固有の文化を伝える大きな役目を果たしています。
そしてもう一人、シェー族文化についての専門ホームページを開設した人がいます。「シェー族ネット」を主宰する麗水市遂昌県の雷先土さんです。
番組では「シェー族ネット」のことを話し、そして、シェー族の人達に民族の文化の保存に関する考えをお伝えいたします。どうぞお楽しみに。
そして、吉田さんによる「博物めぐり」では、北京市東直門北大街甲6号院内にある北京自来水博物館をご案内いたします。
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