ではここで中国の成語を一つご紹介しましょう。
「矛盾」です。この矛盾の矛、つまりほことは両刃の剣に長い柄をつけた武器のことです。
昔の本「韓非子」の難勢編からです。これは、つじつまの合わないことですね。
「矛盾」
むかし、むかし、町で矛と盾を売っている商人がいた。
この商人は、盾をもち大声でいう。
「さあ、さあ!買った、買った!この盾はすごく硬いよ。どんなに鋭い矛で突いても、突き通せないんだから!ほんとだよ!」
こういった商人は、今度は矛を手にし叫んだ。
「さあ、さあ!今度はこの矛をごらんあれ!!この矛がとても鋭く、どんな盾でも、一突で突き破ってしまうんだから!すごいよ。さあ、さあ、買った、買った!」
これを聞ていた男が、不審な顔をして商人にいう。
「おい!おい!面白いこといってるね。その盾はどんなに鋭い矛で突いても、突き通せないんだって?」
「そうだよ」
「そして、その矛はどんな盾でも、一突で突き破ってしまうんだってなあ」
「そのとおりだ!」
「じゃあ、お前さんの矛で、お前さんの盾を突いたら、いったいどっちがどうなるんだい?ええ?」
これには商人、言葉が出なくなったそうな。
はい、おわり。
そろそろ時間のようです。では来週またお会いいたしましょう。
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