張さんがこういうので四旦那も仕方なく同意した。そこで張さんが庭に出ると、なんと庭には馬が早くも用意されていた。そこで張さんは馬に乗り屋敷を出た。すると耳の側でかの下男の声がする。
「張先生、何かが落ちてきたら、それがわたしめがやったことだとお思いくだされ」
「お!わかった。」
こうして張さんは、南城のかの怪しい巫女の家にやってきた。
こちら怪しい巫女、蹄の音がしたので門外へ出てみると、どこかの若旦那風の男が馬から下りているところ。これは客だなと思いさっそく出迎えた。
「これはこれは、どうかしましたか?」
「いやいや。私はお宅のキツネの御利益を怪しんでいるものでしてね。」
これには巫女が怒った。
「なにを申されます!あなたのような身分の方が!それにキツネとはなんです?呼び捨てにすると罰が当たりますよ!」
巫女がこういった途端、どうしたことか空から一欠片のレンガが飛んできて巫女の手に当たった!
あまりの痛さに跪いた巫女は、張さん睨んで怒鳴った。
「どうして私を襲うのです!」
「なにをいう。私はなにもしておらんぞ!自分で勝ってによろめいておいて人のせいにしてはいかんですぞ」
これを聞いた巫女、ではいったい誰がどこから投げたのかと周りを見ていると、石ころが飛んできて巫女の頭に当たったので、倒れてしまった。そして次は多くの泥が飛んできて巫女の顔にあたり、ひどい顔になった。びっくりした巫女は悲鳴を上げて自分が人を騙していたことを詫び始めたので、泥は飛んでこなくなったが、これを見て巫女は家に駆け込み、戸を占めてしまった。
そこで張さんが笑っていう。
「どうだい?わたしの神通力は!あんたのよりすごいだろう?」
巫女はこれを聞き部屋の中でまた謝りだした。そして張さんが空中に向かってもういいだろうと言ったのを聞いた巫女はやっと家から恐る恐る出て来て、張さんにあやまった。そこで張さん、巫女にこれからは人々を騙すのはやめろといいつけ、馬に乗ってその場を離れた。
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