今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。
この時間は、日本には昔の話で「鶴の恩返し」というのがありますね。では,今日は、その中国語版とも言える、え?どうかな、いえますかな?かなり違うかもしれませんが、中国の昔の話「鶴と仙人」というお話をご紹介しましょう。
「鶴と仙人」
むかし、張華という気の優しい男がいた。
ある日、張華が山で草刈をしていると、近くで鳥の鳴き声がする。そこでその声のほうに行くと一羽の鶴が草の上にうずくまっている。
「あれ?こんなところでどうしたんだ?」と近寄って見ると、その鶴は一本の足が折れて血を流し、痛そうに鳴いている。それに人間が近寄ってきたので痛みをこらえ必死に逃げようとしている。
これを見た張華がいう。
「あれあれ!かわいそうに。怖がることはない。いま手当てしてやるからな」と懐から取り出した布を使って、鶴の怪我した足にそっと包帯をした。これには鶴は安心したのかおとなしくなった。そして張華が鶴を抱き上げたので、鶴は悲しい顔して張華を見上げている。
「だれだ!お前をこんなに痛い目にあわせたのは?」と張華が暗い顔していっていると遠くから数人の話し声が聞こえた。
「確かに仕留めたんだが、どこに逃げたのか?!」
これを聞いた張華、これはいかんと思い、怪我をした鶴も悲鳴のような声を出した。そこで張華は、あわてて鶴を草むらに隠したので、鶴のほうも人間の心を察したかのように、声も出さずにおとなしくしていた。そして張華は草刈を続ける真似をしていた。こうして数人の弓矢を手にした男たちが近づいてきた。
張華はこれを見て思った。
「はは~ん。こいつらだな。確か金持ちの張仁義の手下だった。鶴を苦しめたのはこいつらだな!。ひどいやつらだ」
数人の男たちが張華に怖い顔して聞いた。
「おい!そこの奴!怪我した鶴を見かけなんだか?」
「鶴?知らないねえ!鶴がこんなところにいるのかい?」
|