「え?」
「何かほしいものはあるかと聞いておるのじゃ」
「は、はい。えーっと。それでは、田畑を少しください。私は働いて幸せをつかみます」
「うん、うん。いい考えだ。それはよい」
「でも、大雨や日照りは困ります」
「よし、よし。お天気の方はわしに任せておけ」
このように張華と仙人が話していると、鶴が帰ってきたことをどこからか聞いたのか金持ちの李仁義が手下を連れて張華の庭にやってきた。
「おお!鶴はここにおったか!それに二羽もおるぞ!わっはっははは!これは儲かった!それものども!二羽の鶴をつかまえろ!」
そこで手下どもは鶴を捕まえにかかった。もちろん、二羽の鶴は手下どもに捕まらないように空中に飛びあがる。この騒ぎに仙人は外に出た。
「どなたじゃな?わしの鶴を捕まえようとされているのは」
これに李仁義と手下どもはびっくり。見ると仙人らしき老人が家から出てきたので、いくらか慌てた。
「あんたは?」
「私はこの二羽の鶴の主でな。そのうちの一羽がこの若者に助けられたので、今日はお礼に来たのじゃ」
「なんじゃと?鶴の主じゃと?」
「いかにも」
「では言っておくが、鶴を助けたのはこの李仁義じゃぞ」
「ほほう。鶴を救ったのはそこもと?」
「もちろん。だから、鶴を救った礼はわしにするべきじゃ」
「ほう。そうでござるか。これは面白いことになってきた.。おまえさんがそういわれるのであれば、こういたそう」
「なんじゃね?」
「わしは今日二羽の鶴を連れてまいったゆえ、あんたと張華がそれぞれ鶴に乗ってお日様の屋敷にゆきなさい。あそこには黄金がたくさんある。わしの鶴を救ってくれた褒美としてあそこにある黄金を差し上げよう」
これを聞いた李仁義は大喜び。
「じいさんよ。それは本当だな!」
「わしはうそはいわん」
「よし、決まった。早くそこへ行こう」
張華、これにびっくりし、仙人にきく。
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