「三月三」、旧暦の三月三日のことです。この日を祝日とする中国の少数民族は多いです。中国南部の少数民族、チワン族、トン族、ミャオ族などはこの日、互いに歌を詠み交わす「歌垣」を催します。
私達シェー族も「三月三」を祝う習慣があります。この日はみんなで集まり、歌合戦をしたり、「烏米飯」、「黒ご飯」を食べたりして楽しく過ごします。
「黒ご飯」は、山から植物の葉っぱを取ってきて、汁を絞り出し、もち米をその汁に浸け、濃い紫に染めてからお肉などを入れて蒸したものです。蒸した後、すこしお砂糖を入れます。色が黒っぽいことから『黒ご飯』と呼んでいます。ほどよく甘くて、美味しいです。
この日の歌合戦もとても面白いです。シェー族の人々が民族衣装を纏って、男女に分かれて、歌で競います。歌の内容は、ほとんど即興のもので、一問一答形式です。そして、仲良く歌っているようですが、実は歌の内容で競っているんです。お互い歌の勝負が白熱すると、歌詞の内容がエスカレートして、思わずみんなが吹き出してしまうこともあります。
例えば、男性が「歌がお上手ようですね。それなら、天に昇って風を止めてみー」なんて絶対無理なことを歌うと、女性側も負けずに「あなたこそ、歌の先生のようですね。それなら、天に昇って風を掴んでみー」なんて歌い返すわけです。また、時には恋愛の歌で交際を申し込んだりなんてこともあるそうです。
実は私もシェー族の一人で、シェー語を話せますが、歌合戦でみんなが歌う歌は、しっかり耳を傾けて聞かないと、どういう内容なのか、よく分かりません。先日、母が歌詞集を一冊をくれました。いつか自分も歌えるように頑張りたいです。
* 1女の子が歌う 。
* 2男性と女性の歌合戦 。
(担当:藍暁芹)
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