シベ(錫伯)族は主に東北地方の遼寧省、吉林省、黒竜江省に住んでいます。人口は19万人近く。そのうち、3、4万人ぐらいは新疆ウイグル自治区の察布査爾シボ自治県とその周辺地区に暮らしています。
242年前、つまり清王朝・乾隆帝の時代の1764年旧暦の4月18日、辺境を防備するため、3000人余りのシベ族の人々が当時の盛京(今の瀋陽)から出発し、1年4ヵ月かけて西北の新彊イリ付近にたどり着きました。これが、シベ族の盛大な祝日、旧暦の4月18日の「西遷節」の由来です。
シベ族の民謡をご紹介いたします。
まずは、「西への道」。これは、西へ向うことを歌った曲です。
歌詞:
『馬車はとどろき、遠く西へ
二百年、歩き続ける
広々として果てしない大地
親族は無言で涙を流す
でこぼこで遥か長い道
勇敢な若者、見返らず去っていく』
シベ族の人々はほどなく、新しい土地、イリを愛するようになりました。
「イリ川」をお聞きください。
歌詞:
『イリ川よ、イリ川
波を打って、とどまることはない
あなたをこんなに愛している人は、この世にはだいだろう
うねうねと延びるイリ川よ
川の北岸は山が切り立ち、
川辺には柳が茂っている
平らな野原が広がっていく
烏孫山の上に、白い雲がかかり、
牛が川辺にたむろする
これが我が愛する故郷だ』
そして恋歌です。「話したいこと」
歌詞:
『話したいことがある
話したいことがある
でも、言い出せない
いつまで心にひそめるだろう
そそくさと会ったが、あなたと会った瞬間、
別れのことを忘れてしまい、
あなたは誠実な人だから、
打ち明けようと決心した』
(担当:藍暁芹、メールのアドレス:ran_cri@hotmail.com)
|