引き続き民謡「ジャスミンの花」をご紹介します。
まずは東北地方の遼寧・海城の民謡「ジャスミンの花」です。
(歌詞)
『可憐なジャスミンの花よ
可憐な花
この花を敵うものはない
一輪を摘んで髪に付けたいが
花守りさんに叱られるでしょう』
同じく東北地方の黒竜江にも「ジャスミンの花」という民謡が歌われています。歌詞の内容は、ほぼ同じです。
(歌詞)
『可憐なジャスミンの花よ
花が咲いた、花が散った
ジャスミンを敵う花はない
ジャスミンの花を摘んで身に付けたいが
花守りさんに叱られるでしょう』
ところで、山東の民謡「ジャスミンの花」は、中国の伝統戯曲物語で中国語版の「ロミオとジュリエット」と言われる「梁山伯と祝英台」が歌の内容となっています。
『梁山伯と祝英台』(蝶になった恋人たちのお話 )
時は東晋。無類の勉強とチョウ好きの少女祝英台は、男装して杭州のとある書院(学校)へ通うことになった。そこで梁山伯という少年と出会い、義兄弟の契りを結んだ。英台は次第に山伯に心を惹かれた。なんとか自分が女であることを悟らせようと試みるが、勉強は良くできるくせに鈍感な山伯は気付かない。こう3年が経った。家に帰った英台を待っていたのは、彼女とその土地の有力者の息子・馬文才との結婚話だった。丁度その頃、先生の奥さんから英台についての全てを打ち明けられた山伯は、英台の想いに応えるべく祝家へと急ぐ。が、馬家との結婚にノリ気の英台の父親により、門前払いを食らわされてしまう。その後、山伯は死亡。英台は、自分が馬家に嫁ぐのを条件に、結婚式当日に自分が乗る駕籠を山伯の墓へと向かわせることを家の者に約束させる。
結婚式当日、駕籠が山伯の墓の前まで来ると、英台は突然駕籠から飛び降り、墓の前で泣き崩れた。…と、突如突風と雨がそこに居合わせた人々を襲った。激しい地響きと共に墓の入り口が突然開く。英台は迷わずそこへ身を投じると、墓の入り口がしまり、突風も地響きも止み、まるで何事もなかったかのように元の状態に戻った。しばらくすると、山伯の墓から二羽のチョウが仲良く飛び立っていった…。
(歌詞)
(女、合唱)春が来て、ジャスミンの花が咲く。
よい香りの可憐な花よ
ジャスミンの花園の隣に祝英台という女の子が住んでいる
学校に行くため、
男装して都に来ていた。
(男、独唱)梁山伯と祝英台が同窓生として三年目に、
英台は両親に早く家に戻れと催促された
未練があって、梁山伯は祝英台を長く見送った
互いに考え事が分からなかった
(女、独唱)梁山伯は、祝英台を訪ねる
女性の格好をしている英台とあって、すべてが分かった
しかし、英台はすでに馬文才と婚約していた
縁が切れて悲しい。死んでも互いに慕うでしょう
(女、合唱)祝英台は花籠に載せ、
梁山伯のお墓の前に来て、泣き崩れた
その時、天が崩れ落ち、地が裂ける
お墓から、二羽のチョウチョウが飛んできた
一緒にジャスミンの花の群れの中で飛ぶ
愛し合う人は、永遠に一緒にいる
(担当:藍暁芹)
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