ドンブラは、中国の少数民族の一つ、カザフ族に古くから伝わってきた弦楽器です。ドンブラの「ドン」とは楽器が出す音を表したもの、「ブラ」はカザフ語で楽器の音を調律するという意味です。
ドンブラは木製で、その形は、まるで大きなスプーンのようです。
カザフ族の人達にとって、ドンブラは欠かせない楽器です。遠くへ放牧に出かけても楽器ひとつあれば寂しさを紛らわすことができ、夕方家に帰るとドンブラを弾きながら歌を歌ったり、踊りを踊ったりして家族と一緒に楽しく過ごします。
ドンブラは独奏、合奏、伴奏などに幅広く使われ、表現力が豊かです。その音色は、草原を流れる川の音や、鳥の鳴き声、羊の群れ、馬の走る音などを生き生きと表現することができます。
ここで、ドンブラの独奏を一曲、弾き語りを二曲楽しんでいただきましょう。
まずは、ドンブラの独奏、「赤いバラ」です。
これは、カザフ族の民謡です。「赤いバラ」は恋のシンボルで、初々しい少女のことをさしています。
次の曲は、「故里への思い」です。一コーラス目はカザフ語で歌っています。
「自分の故郷と母親を愛さない人はいない。
いつも忘れられない。故郷のことを思い出す。
わが故郷よ、いつも僕の脳裏に浮かんでくる。
旅人の故郷への思い、とまらない。
ああ、わが故郷、いつも僕の脳裏に浮かんでくる。
旅人の故郷への思い、とまらない。
とまらない。」
次の曲は、ドンブラの弾き語り、「白い泉」です。
歌詞をご紹介いたします。
「ああ、白い泉よ、白い泉。
一刻も止まらず沸いてくる。
ちいさいころから、あなたのことが大好きだ。
若者たちは、あなたのそばでデートをする。
あなたと一緒に歌う。
母は、毎日、あなたのところで水を汲んでいる。
父は、いつもあなたのところで馬に水を飲ませている。
多くのところを回ってきたが、
あなたのとこほど良い場所はない。
あなたは宝物。
この歌であなたをたたえる。」
(担当:藍暁芹、メールのアドレスはran_cri@hotmail.com)
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