中国の野球リーグは、今、シーズン大詰めを迎えています。レギュラーシーズン、プレーオフを終え、この週末から、いよいよ中国一を決める優勝決定戦を待つばかりとなりました。
中国では、野球というスポーツは決してまだメジャーなものではありません。中国人でさえ、リーグの存在を知らない人がいるという状況です。
中国野球リーグは2002年、北京市、天津市、上海市、広東省の4チームで発足。2005年に、新たに2チームが加わり、現在6チームでリーグ戦を戦っています。レギュラーシーズン、プレーオフ、そして優勝決定戦を経て、中国一が決まります。今年は、広東と天津がそれに進出し、23日から熱戦を繰り広げます。
実は、中国野球リーグが日本と深くかかわっています。
2002年、中国野球リーグ創設の年、リーグを資金面から支えたのは日本企業でした。以来、リーグ全体のスポンサーにキャノン、ミズノが名を連ねていますし、各球団にも日立建機(天津)、全日本空輸(北京)など日本企業がついています。
野球リーグの運営面でも、日本側が協力しています。日本のソフトバンクの子会社、「中国棒球企画」がリーグのPRやイベントなどを請け負っています。中国棒球企画の深沢実樹代表取締役は、今度の日中野球の発展について、「アジア全体で、野球が盛り上がってくれば、関心を持つ人が増える。そして日本でプレーする選手が出てくれば、中日間で野球が盛り上がってくると思う」と期待を述べました。
プロリーグを資金面、運営面に支援する以外に、日本は人材面、技術面からも積極的に関わっています。国家代表を含めて、中国の各球団を日本に招いて、合同キャンプや練習試合を行うなどの取り組みが行われています。特に、横浜ベイスターズと天津ライオンズ、北京タイガーズがジャイアンツ、ホープスターズがロッテといった球団同士の提携関係も進んでいます。
横浜ベイスターズと提携している天津ライオンズの焦益監督は、この交流関係を非常に重視し、「互いの交流は、多くの収穫をもたらし、我々のチームは大きく進歩したと思う。今後も、ベイスターズとの交流は長く続けて行きたいと思っている。それによって、天津が強くなり、そして中国全体の野球のレベルアップにつながると考えている」と語りました。
技術面は球団同士が、資金面は日本企業が、そして運営面でも日本のノウハウが活かされている……まさに物心両面で日本と中国がタッグを組んで、中国プロ野球を支えているというわけです。
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